ステランティス傘下のジープブランドは4月6日、改良新型『コンパス』(Jeep Compass)に、プラグインハイブリッド車(PHV)の「4xe」を設定すると発表した。
コンパスは欧州市場において、PHVテクノロジーを備えた最も人気のあるSUVのひとつだ。欧州で販売されているコンパスの約4分の1は、4xe。 4xeは、イタリア本国で最も売れているPHVになるという。
1.3リットル直4ターボにモーターの組み合わせ
『コンパス4xe』のPHVパワートレインのシステムは、1.3リットル直列4気筒ガソリンターボエンジン(最大出力は130hpまたは180hp、最大トルク27.5kgm)にモーター(最大出力60hp、最大トルク25.5kgm)を組み合わせて、システム全体で190hpまたは240hpのパワーを引き出す。
コンパス4xeには、フロントのエンジンが前輪、リアアクスルのモーターが後輪を駆動する「eAWD」システムを搭載する。トランスミッションは6速ATを組み合わせた。0~100km/h加速は7.5秒、最高速は200km/hの性能を備えている。
バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は11.4kWhだ。EVモードでは、最大でおよそ50kmをゼロエミッション走行できる。EVモードの最高速は130km/hとした。CO2排出量は44~47g/km(WLTPサイクル)と、高い環境性能を備えている。ドライブモードは、「ハイブリッド」、「フルエレクトリック」、「Eセーブ」 の3種類が切り替えられる。バッテリーの充電は、自宅向けの「easyWallbox」や「ConnectedWallbox」、公共の充電ステーションを利用する。
PHVにもオフロード仕様の「トレイルホーク」設定
コンパス4xeは、オフロード仕様の「トレイルホーク」にも設定される。「Trail-Rated」エンブレムをはじめ、専用フロントグリル、ボディ同色フォグランプベゼル、専用のスキッドプレート、専用の17インチアルミホイールを装備している。
また、ボンネットは、中央部分がブラック仕上げとなる。その横に、トレイルホークのロゴが添えられた。
改良新型コンパスは機能性にも重点を置いており、とくにトレイルホークバージョンでは、バンパーとフォグランプが、通常モデルよりも高い位置に配置されている。同じ変更が、カメラのレーダーハウジングにも加えられた。下側の吸気口も上方に移動するなど、オフロード走行時の保護性能を強化するデザインを採用している。
レベル2の自動運転を可能にする欧州初のジープ
改良新型コンパスは、ヨーロッパで初めて、レベル2の自動運転を可能にするジープ車だ。最新世代の先進運転支援システム(ADAS)が標準装備されている。
道路標識を読み取って、ドライバーに知らせる交通標識認識をはじめ、制限速度を自動的に維持する「インテリジェントスピードアシスト」が採用された。「Drowsy Driver Alert」は、ドライバーの注意力が低下した場合やドライバーが眠気を感じた場合に、ドライバーに警告を発する。
歩行者と自転車の検出機能を備えた自動ブレーキは、事故を回避したり、事故による被害を軽減したりするために、自動的に減速して車両を完全に停止させる。
新しい機能のハイライトが、アダプティブクルーズコントロールとレーンセンタリングを組み合わせて、車両の速度と進路を自動的に調整する「ハイウェイアシスト」だ。ハイウェイアシストが作動すると、車両は自動的に車線の中央に留まる。前方の車両との車間距離を適切に保ち、安心して運転できるようにするという。ハイウェイアシストは2021年下半期(6~12月)、欧州で利用可能になる予定、としている。