今回は主にコロナ情勢下、防疫対策を施した車を始めとした、「いろいろな環境下で利用できるモビリティ」として8台の車が展示された。
まずは『セレナ』のタクシー。こちらは清澄公園(東京都江東区)に隣接したエリアを中心に業務を行っているタクシー会社「八洲自動車」と共同で実施しているもので、運転手とお客さんの間に飛沫感染防止を徹底。消毒スプレーや電子決済の導入など、乗車から降車まで徹底した感染防止策が施されている。
黄色の車体が目を引く『NV200バネット』は、軽症感染症患者を搬送するための特別仕様。患者の乗る後部座席とドライバーの乗る前席がパネルで区切られている。後部座席には換気ファンが設置されており、前席への空気の流入を防止。また、インターホンを設置することで、患者と搬送スタッフが安全に会話ができるよう工夫されている。


大型機材を用いるアウトドアスポーツや、ワーケーションスペースとしても活用できる、使用シーンにあわせたアレンジが可能なモデルとなっている。ベース車は、積載量が多いということで、アウトドア志向のユーザーに人気が高いという。
練馬区の青色パトカーとして導入されている『リーフ』は現在7台が活躍中だ。練馬区は日産自動車と「災害時における電気自動車からの電気供給に関する協定」を締結しており、「災害が発生した際、日産は練馬区内の日産販売会社店舗で試乗車として配備している電気自動車を練馬区に無償で貸与する」、「練馬区は、日産販売会社店舗に設置しているEV用急速充電スタンドを優先して使用できる」ようになっている。更に日産は区が所有する電気自動車に加え、区民や事業者が所有する電気自動車等を災害時の避難拠点の電源として活用する「災害時協力登録者制度」にも賛同している。


『ルークス』を送迎用にカスタムした車両もあり、福祉施設や病院などで、少人数や住宅地の狭い道での送迎などに便利な工夫が施されている。助手席のスライドドアには握りやすい大型グリップを、後部座席には走行中に体を支えられるグリップが装備されている。他にも利用者の杖を収納する杖立てや、荷室に車いすなどを固定できるゴムネットも搭載。オプションでオートステップや助手席のスライドアップシートも選択でき、利便性が向上しているモデルとなる。


最後に紹介するのは一風変わり、トミカ50周年記念仕様でデザインされた『GT-R』となる。現在トミカの50周年を記念して、ホンダ、トヨタ、日産の3社が協力して、各社のデザイナーがトミカのためだけの特別なデザインをする「トミカ50周年自動車メーカーコラボプロジェクト」を行っている。
トミカの中でも人気で、子供たちのあこがれでもある各社のスポーツカーをベースに、それぞれの車両に合うデザインを実車にラッピングしている夢の1台だ。制作に当たり、ボディのロゴの再現や横のラインがきちんと車体に沿うようにするのが大変だったそうだが、現代的な赤色が映えるいいデザインになったと関係者一同笑顔で語ってくれた。
