レクサス UXハイブリッド、ブランド最初のHVと比較対決…15年の進化は?

レクサス初のハイブリッドは2005年のRX400h

UXは2.0リットル直4エンジン+モーターで184hp

RX400hは3.3リットルV6エンジン+モーターで272hp

エンジンやモーター&バッテリーの効率を引き上げたUX

15年間でドライビングダイナミクスと燃費が大きく向上

レクサス RX400h(2005年)と UX250h(欧州仕様)
  • レクサス RX400h(2005年)と UX250h(欧州仕様)
  • レクサス RX400h(2005年)と UX250h(欧州仕様)
  • レクサス RX400h(2005年)と UX250h (欧州仕様)
  • レクサス RX400h(2005年)と UX250h (欧州仕様)
  • レクサス UX250h(欧州仕様)とRX400h(2005年)
  • レクサス RX400h(2005年)と UX250h (欧州仕様)
  • レクサス UX250h(欧州仕様)
  • レクサス UX250h(欧州仕様)

レクサスの欧州部門は10月12日、レクサスのハイブリッド車の欧州発売15周年に合わせて、最新の『UX』(Lexus UX)のハイブリッド車を、レクサス初のハイブリッド車と比較対決させ、その結果を発表した。

レクサス初のハイブリッドは2005年のRX400h

トヨタは1997年8月、同社初の市販ハイブリッド車として、『コースターハイブリッドEV』を、同年12月に世界初の量産ハイブリッド乗用車の『プリウス』を発売した。

レクサスが初めてハイブリッド車を設定したのは、2005年だ。『RX400h』(日本名:トヨタ『ハリアー ハイブリッド』)が最初のモデルだった。日本市場では当時、レクサスブランドは展開されておらず、トヨタ『ハリアー』のハイブリッドモデルとして販売された。

RX400hの発売以降、レクサスのハイブリッドラインアップは着実に拡大し、現在では最高級セダン『LS600h』からプレミアムコンパクトの『CT200h』まで、プレミアムブランドで最多のハイブリッド車を展開している。

UXは2.0リットル直4エンジン+モーターで184hp

レクサスUXは、レクサスのSUVラインナップの中で、『NX』の下に位置するブランド最小のSUVだ。UXのボディサイズは、全長4495mm、全幅1840mm、全高1520mm、ホイールベース2640mm。NXよりも、ひと回りコンパクトだ。

欧州仕様車には、新開発のハイブリッドシステムを搭載する「UX250h」グレードを設定する。UX250hには、直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用した。モーターによるアシストとエンジン回転数を最適化し、燃費性能と気持ちの良い加速フィーリングの両立を目指している。

UX250hには、GA-Cプラットフォーム用の4WDシステム、「E-Four」を搭載した。雪道など滑りやすい路面での発進や加速の際やコーナー進入時に、前後輪の駆動力配分をスムーズに制御し、発進や走行安定性を高める。通常の路面では、前輪駆動を選択して燃費性能を向上させている。

RX400hは3.3リットルV6エンジン+モーターで272hp

レクサスの欧州部門は、このUXのハイブリッド車を、レクサス初のハイブリッド車のRX400hと比較対決させた。2005年のRX400hの欧州発売から15年間で、レクサスのハイブリッドがどのように進化したのか、明らかにするのが狙いだ。ベルギーの試験場での比較対決のテスターを務めたのは、トヨタモーターヨーロッパで総合車両評価とユーザーエクスペリエンスを担当するテクニカルマネージャー、Herwig Daenens氏だ。

RX400hのハイブリッドパワートレインは、3.3リットルV型6気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたもので、システム全体で272hpのパワーを獲得していた。Herwig Daenens氏は、「ドイツ・ニュルブルクリンク近郊で初めてプロトタイプを運転した時、RX400hのパワーとパフォーマンスがどれほど印象に残ったか、今でも覚えている。現在でも、電動化されたV6パワーの加速性能や、静粛性は驚くべきもの」と話す。

一方、最新のUXのハイブリッドは、システム全体のパワーが184hpと、RX400hに対して、88hp少ない。しかし、Herwig Daenens氏は、「RX400hと比較して、よりダイナミックで魅力的なパワーを引き出し、車両の速度とエンジン回転数が、従来のレクサスハイブリッドよりも一致している」と語る。

エンジンやモーター&バッテリーの効率を引き上げたUX

UX 250hの新しい2.0リットルエンジンは、高速燃焼技術を含めたエンジニアリングのノウハウを詰め込んでおり、あらゆるカテゴリーで最も熱効率の高いエンジンのひとつになるという。

UX 250hのバッテリー(二次電池)はRX 400hと同様、実績のあるニッケル水素を搭載する。ただし、セル数を増やし、高出力化とバッテリー電力のより積極的な利用を実現し、内部レイアウトの最適化とコンパクトな冷却システムの採用により、バッテリーパックの小型化が図られた。

UX 250hの第4世代のハイブリッドトランスアクスルは、モーター/ジェネレーター(発電用)と、モーター/ジェネレーター(駆動用)を多軸配置することにより、よりコンパクトで軽量なデザインを実現した。シンプルな平行軸歯車に変更することで、摩擦損失を約25%削減している。

RX400hよりも、大幅に小型軽量化されたUX250hのPCU(パワー・コントロール・ユニット)は、トランスアクスルの真上に取り付けられている。そのため、ハイブリッドシステム全体のコンパクト化と軽量化を実現し、エンジンルーム内のスペースを拡大した。

UX 250h のAWDでは、RX400hの大型の50kWユニットよりも小型でコンパクトなモーターを、リアに搭載する。UX 250hのE-Fourは、リアディファレンシャルに独立した専用の高トルクモータージェネレーターを組み込んだ。フロントアクスルとリアアクスルの間の駆動力配分は、加速やコーナリング、滑りやすい路面での走行時に、VSCシステムによって100対0から20対80の間で、自動的に変化する。

15年間でドライビングダイナミクスと燃費が大きく向上

Herwig Daenens氏は、「最新のUX250hは、ドライビングダイナミクスが大幅に引き上げられた。これは主に、接着剤を多用する新しい高剛性GA-Cプラットフォームのおかげだ。低重心により、シャシーのロールが減少し、電動パワーステアリングの精度が向上している」と述べ、「UX250hは、RX400hと同様のドライブトレインアーキテクチャーをベースにしながら、よりコンパクトな電気モーターと、よりダイレクトなギアを備えたハイブリッドトランスミッションにより、クラストップレベルの品質や信頼性、耐久性を実現した」と付け加えた。

なお、UX250hの環境性能も、15年前にデビューした RX400hに対して、大きく向上した。欧州複合モード燃費はRX400hが12.3km/リットル、UX250hが18.9km/リットル、CO2排出量はRX400hが192g/km、UX250hが102g/km(RX400hの数値は最新のWLTP基準に合わせて変換したもの)となっている。

《森脇稔》

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