STIは基本性能を向上するチューニングが施されたスバル『フォレスター』を合同試乗会に持ち込んだ。 STIはスバルのワークスとしてさまざまな活動を行っているが、なかでも有名なのがニュルブルクリンク24時間レースへの参戦。長い時間を走行しなくてはならない耐久レースでは、ラップタイムが速いだけでは勝つことはできない。疲れないということも大切な要素となってくる。それを実現するのはしっかりとした基本性能で、試乗したフォレスターにも同様の思想が盛り込まれていた。 まず第一に行われているのが「体幹チューニング」と言われるもの。クルマを人体に置き換えたときに体幹にあたるのがボディ。ノーマルのボディもしかっりとしたものだが、量産車ではやりきれなかった部分を向上しようという考え方だ。そのなかでもフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーの2つのパーツが大きな決め手となっている。 フレキシブルタワーバーはタワーバーを2分割したうえでピロボールジョイントで結合したもの。上下動の動きはいなしつつ、左右は剛性をもって抑え込むように働く。一方、フレキシブルドロースティフナーはサスペンション取り付け部に突っ張り棒のように装着するパーツだが、突っ張り棒のように比押しつけるではなく、引っ張り方向にテンションを掛け続けることでクルマの安定感を向上する。 また、今回の体幹チューニングでは非常に小さなパーツに光が当てられた。そのパーツはクランプスティフナーというクロスメンバーの取り付けに使っているパーツ。このパーツの周囲をフランジアップ(縁を持ち上げるような形状すること)で剛性を向上している。 さらに「疲れにくいエアロパーツ」というコンセプトも採用。取り付けられたパーツはロントリップスポイラー、フロントサイドアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、エアロガーニッシュ、リヤサイドスポイラー。ニュルブルクリンクのレースでは空力を味方に付けて、クルマを安定させ、それによって余分な動きを抑えている。その積み重ねが疲れないクルマへとなる。 比較試乗用にとノーマル状態のフォレスターも用意されていたが、2台を乗り比べると、明らかにSTIパーツ装着車のほうがシャキっと引き締まった乗り味になっている。ステアリグ操作に対する動きは機敏で、修正舵がいらない。切り返しのあるS字コーナーはもちろん、コーナリング中に左右にステアリングを振ってもしっかり感は失われない。空力をチェックするには速度的にもう少し上げた方がわかりやすいと思われ、今回の試乗では空力的な変化までは感じ取れなかった。 これらのボディパーツはグローバルプラットフォームに共通して使うことができるので、インプレッサにも使えるとのことだ。 諸星陽一|モータージャーナリスト 自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
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