【東京モーターショー2017】スズキ バーグマン FC...国内唯一の燃料電池二輪車に試乗できる

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試乗会場に登場したバーグマン フューエルセル
  • 試乗会場に登場したバーグマン フューエルセル
  • 動き出すと、電気の流れが可視化される。レブカウンターはkW表示だ
  • 2017年、バーグマン フューエルセルは国内唯一、ナンバーを取得した燃料電池車だ
  • 東京モーターショー2017で、エンジン車に混じって試乗会場に登場したバーグマン フューエルセル

スズキ『バーグマンフューエルセル』は、水素で発電するFC2V(燃料電池二輪車)、国内唯一の公道走行できるモデルだ。すでに18台がナンバーを取得して走っている。しかも、東京モーターショーで一般試乗できる。

オートバイにFC(燃料電池)を積むことは、それほど簡単なことではない。乗用車で可能なことは二輪車でもできるだろうと思われがちだが、そもそもFCの冷却方式からして違う。

スズキは2003年、四輪車で燃料電池開発を初めて手掛けた。米ゼネラルモーターズとタッグを組んだ方式は、乗用車ではスタンダードな水冷だった。2006年から二輪車では、軽量化と省電力、省スペースを並立させることができる空冷こそ最適と考えた。

2012年には英インテリジェント・エナジー・ホールディングスと新会社「SMAILE FCシステム」を立ち上げ、燃料電池のシステム開発を行い、燃料電池システムの内製化を実現。その地道な努力が、国内で初めて型式認定を受けた燃料電池二輪車に結実したのだ。

しかし、発表された諸元は最高出力4.5kW/7650rpmで、最高速度75km/h、航続距離120km(60km/h定地走行)と、ベースとなったガソリン車「バーグマン200」に比べて見劣りしたため、スペックを期待する専門誌からは評価されたとは言い難い。それでも開発陣はこうした評価は織り込み済みで、とにかく安定走行できるFC2Vを目指した。

「二輪車の燃料電池車は、当然四輪車も見据えてやっている。ご指摘の点は燃料電池ユニットだけでなく、タンク容量やバッテリーマネージメントなどの見直しなどで改善できる。公道での試行で、送稿パターン情報を収集し、自信をもって開発を続けている」と、開発本部横浜研究所の中島毅氏は語る。

スズキの自負を象徴するのが、東京モーターショーでの一般試乗だ。バーグマン フューエルセルは展示会場にもあるが、試乗会場では他のガソリン市販車に混じって試乗できる。それは、すでにスズキのFC技術が、誰でも乗ることのできるレベルまで来たことを示している。

ナンバー取得した18台は、福岡、静岡、神奈川の各県で一般企業にも貸し出されている。その1台に触れることは、まさしく二輪車の未来に触れることになる。

《中島みなみ》

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