【ホンダコレクションホール 歴代カブ試乗】静かで丈夫! 子どもの頃に慣れ親しんだ姿や音

モーターサイクル テクノロジー
1966年(昭和41年)製スーパーカブ C50
  • 1966年(昭和41年)製スーパーカブ C50
  • 1966年(昭和41年)製スーパーカブ C50
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高性能で扱いやすくて燃費がいい。しかも丈夫で壊れないという魔法のエンジン。それが50年も前から当たり前すぎて、誰も気付かないほどになっていたのだと乗りながら思った。『スーパーカブ』だ! 1966年(昭和41年)製の『C50』である。

初代『スーパーカブC100』(1958年=昭和33年発売、OHV50ccエンジン)がデビューしてから6年が経った1964年(昭和39年)。生産累計台数400万台突破目前という好調なセールスを続けていたが、ホンダは将来を見据えた、より耐久性が高く静かなOHCエンジンを新たに開発し、まずは65ccのモデルに積んだ。

このOHCエンジンこそが、スーパーカブの長年のスタンダードエンジンとなっていく。

50がOHVエンジンを辞め、OHC化したのは1966年(昭和41年)のこと。これが今回試乗したスーパーカブC50であり、スーパーカブは第2世代へと移行していく。

OHVはメンテナンスさえしていれば充分に丈夫で長持ちだったが、放っておくとプッシュロッドの打音が出て、そのタペット音が気になり出す。それとオイルポンプのないハネカケ式であったから、オイルの量を適性に保たなければエンジン内部にまんべんなくオイルが行き渡らなくなる。

スーパーカブは大衆商品なのだから、メンテナンスフリーでなければならないとホンダは考え、エンジンをOHVからOHCに変更し、自動カムチェーンテンショナーやオイルポンプなどを装備したのだった。

このスーパーカブC100。たしかに音が静かで、これまで乗ったOHVモデルたちに比べると、走りがさらにスムーズ。

その頑丈さは「たとえオイルが入っていなくても壊れない」とまで言われるほどで、世界中で“ホンダ=高性能”を知らしめた。

真ん丸のヘッドライトがハンドルと同じ高さにあって、もはや子どもの頃から慣れ親しんだスーパーカブという印象。もう旧いのか最近のものか、パッと見ではわからない。

いやいや、シート下のタンク部分が一体プレス構造になっていないとか、ウインカーレンズの先が尖った“おっぱいカブ”でしょって、初期型ならではの特徴を見抜ける人はマニアなはず。

68年(昭和43年)には90が、69年(昭和44年)には50と70もヘッドライト下に独立したポジションランプを備える通称“行灯(あんどん)カブ”へとモデルチェンジしていく。


【ホンダコレクションホール 歴代カブ試乗】
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青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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