鉄道の災害運休区間、約78km減少 10月末

鉄道 企業動向

10月末時点の運休区間。前月末に比べ運休距離が約78km減少した。
  • 10月末時点の運休区間。前月末に比べ運休距離が約78km減少した。
  • 根室本線の東鹿越~新得間は再開のめどが立っていない。写真は土砂が流入した第4落合トンネル付近。
  • 写真の坂元駅を含む常磐線相馬~浜吉田間は12月10日に再開する予定。
  • 大井川鐵道井川線は11月頃に全線再開の見通しだったが、このほど2017年3月中旬の再開予定に変更された。写真は井川線の終点・井川駅。
災害による鉄道路線の運休距離は、10月末時点で587.6kmだった。8月の台風で不通となった路線のうち石北本線が全線再開し、根室本線も一部の区間が再開した。これにより9月末に比べ77.5km減少した。

山田線川内~茂市間と常磐線相馬~浜吉田間は12月に再開の予定。石勝線・根室本線のトマム~芽室間も年内には再開の模様だ。当初は11月頃の全線再開が見込まれていた大井川鐵道井川線は、2017年3月に再開することが決まった。

10月末時点で運休中の区間は以下の通り。

■JR北海道 根室本線 東鹿越~新得(北海道) 41.5km
8月の台風で橋りょうが流出するなど甚大な被害が発生。運休区間のうち東鹿越~落合間のみバスによる代行輸送が行われている。狩勝峠を通る落合~新得間は現在も代行輸送が行われていない。

運転再開のめどは立っておらず、復旧工事に着手できるのは早くても2017年春以降の見込み。この区間を含む富良野~新得間は1日平均の通過人員(旅客輸送密度)が2015年度で152人と少なく、廃止の可能性も指摘されている。

■JR北海道 石勝線・根室本線 トマム~新得~芽室 64.0km
8月の台風で橋りょうが流出するなど甚大な被害が発生。代行バスはトマム~帯広間(ノンストップ)とトマム~新得間(途中、十勝清水駅に停車)で運行されている。JR北海道は他の路線の架替え用として製作していた仮線用の橋桁を転用するなどして復旧を急ぎ、年内の再開を目指す。

■JR北海道 日高本線 鵡川~様似(北海道) 116.0km
2015年1月の低気圧による高波の影響や同年9月の大雨の影響で土砂流出などの被害が発生。バスによる代行輸送が行われている。再開のめどはたっていない。路線の存廃問題も浮上している。

■JR東日本 山田線 上米内~川内~茂市(岩手県) 77.1km
2015年12月に土砂流入による脱線事故が発生し、上米内~川内間が運休中。さらに今年8月の台風でも土砂流入の被害が発生し、川内~茂市間が運休している。代行バスは運行されてないが、岩手県北バスの都市間バス『106急行』への振替輸送が行われている。川内~茂市間は12月中旬頃に再開の予定。上米内~川内間も2017年10~12月頃には再開の見込みだ。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で路盤流出など甚大な被害が発生。代行バスは運行されてないが、岩手県北バス・岩手県交通の路線バスによる振替輸送が行われている。2018年度内の再開が予定されているが、再開後の経営は三陸鉄道に移管される。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城県・岩手県) 43.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で路盤流出など甚大な被害が発生。暫定復旧策としてバス高速輸送システム(BRT)による代行バスが運行されている。運行区間は気仙沼~盛(長部経由)・鹿折唐桑~上鹿折・陸前矢作~陸前高田の各区間。JR東日本と沿線自治体は鉄道廃止とBRT継続運行で合意しているが、鉄道廃止の手続きはまだ行われていない。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で路盤流出など甚大な被害が発生。暫定復旧策としてバス高速輸送システム(BRT)による代行バスが運行されている。運行区間は不通区間より広い前谷地~柳津~気仙沼間。JR東日本と沿線自治体は鉄道廃止とBRT継続運行で合意しているが、鉄道廃止の手続きはまだ行われていない。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島県・宮城県) 22.6km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。バスによる代行輸送は不通区間より広い相馬~亘理間で行われている。ルートを内陸側に移設して復旧する工事がほぼ完了し、今年12月10日に再開する予定。営業距離は現在より0.6km長い23.2kmに変更される。

■JR東日本 常磐線 竜田~小高(福島県) 36.6km
2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で運休中。代行バスは運休区間より広い竜田~原ノ町間で運行されているが、途中駅は小高駅を除き通過している。JR東日本は段階的に再開する計画を示しており、浪江~小高間を2017年春、竜田~富岡間を2017年内に再開し、残る富岡~浪江間は2019年度末までに再開する方針だ。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月に発生した福島・新潟豪雨の影響で、橋りょうの流出など甚大な被害が発生。バスによる代行輸送が行われている。再開のめどはたっていない。

■大井川鐵道 井川線 接岨峡温泉~井川(静岡県) 10.0km
2014年9月の大雨で発生した土砂崩れの影響で運休中。代行輸送は行われていない。大井川鐵道は当初、今年11月頃にも再開するという見通しを示していたが、10月に同社が明らかにした計画では2017年3月中旬頃の再開予定とされた。

■JR九州 豊肥本線 肥後大津~阿蘇(熊本県) 27.3km
4月に発生した熊本地震の影響により、立野~赤水間で大規模な土砂崩れが発生するなど甚大な被害が発生。同区間を含む肥後大津~阿蘇間で運休が続いている。代行バスは運休区間より広い肥後大津~宮地間で運行されているが、平日の朝夕ラッシュ時のみの運行。瀬田・立野両駅は通らない。復旧には相当な時間がかかる模様。

■南阿蘇鉄道 高森線 立野~中松(熊本県) 10.5km
4月に発生した熊本地震の影響で、路盤が流失するなどの被害が発生。再開のめどはたっていない。代行バスは運行されてないが、沿線の南阿蘇村と高森町が合同で「緊急通学バス輸送」を行っている。
《草町義和》

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