ホンダは10月23日、『フィット』などの点火コイルおよび電源供給回路に不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。
対象となるのは、『フィット』(HVおよびガソリン車)『N-WGN』『N-WGNカスタム』『ヴェゼル』の4車種で、2013年6月28日~2014年10月17日に製造された計42万5825台。
点火コイルについては、内部の電気ノイズを除去する雑防抵抗の構造が不適切なため、点火時の通電によるアーク放電により、当該抵抗端末部が断線するものがある。そのため、点火コイルの出力が不足してエンジン不調となり、エンジン警告灯が点灯するおそれがある。また、点火時に発生するノイズにより燃料噴射装置が正しく制御できず、エンジンが停止するおそれがある。
改善措置として、全車両、点火コイルを対策品と交換する。不具合は571件発生、事故は起きていない。
電源供給回路については、電気ノイズに対する保護が不十分なため、車両の電装部品から発生するノイズの影響により電源制御ユニットが誤作動することがある。そのため、エンジン制御コンピュータ等に電源を供給するリレーが作動せず、走行中にメータパネルが消灯し、エンジンが停止するおそれがある。
改善措置として、全車両、電源供給回路にノイズフィルタを追加する。不具合は78件発生、事故は起きていない。
いずれも市場からの情報により発見した。
フィットHVは2013年9月の発売から5度目のリコールとなる。DCTの変速プログラム不具合があるとして2013年10月に4883台、12月には3万6100台、2014年2月には8万1353台を届け出た。さらに今年7月、エンジン制御コンピュータの不具合で、17万5356台を対象にプログラムを書き換える措置を行っている。