【パリモーターショー14】インタビュー…アウディ技術担当役員 Dr.ハッケンベルグ「自動運転はアウディのキーテクノロジーに」

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アウディの技術開発担当取締役 Prof Dr.ウルリッヒ・ハッケンベルク氏
  • アウディの技術開発担当取締役 Prof Dr.ウルリッヒ・ハッケンベルク氏
  • アウディの技術開発担当取締役 Prof Dr.ウルリッヒ・ハッケンベルク氏
  • アウディ・TTSロードスター(パリモーターショー14)
  • アウディ TTスポーツバック
  • VW・XL スポーツ(パリモーターショー14)
  • VW・XL スポーツ(パリモーターショー14)
  • ランボルギーニ・Asterion(パリモーターショー14)
  • ランボルギーニ・Asterion(パリモーターショー14)
パリのモーターショー会場において、アウディの技術開発担当取締役であるProf Dr.ウルリッヒ・ハッケンベルク氏が日本のメディアの質問に応えた。フォルクスワーゲン・グループの技術の中核を担ってきた同氏に、現在のVW、現在のアウディとその先にある自動車技術の未来について尋ねた。


----:現在、アウディとしては内燃エンジンの未来をどのようにお考えでしょうか?

ハッケンベルク:前提としてCO2を減らさなければいけないということがあります。たとえばEUであれば将来的に排出量を95g/kmまで減らさなければなりませんが、現状は127g/km。このギャップを埋めなければなりません。ギャップを100%とした場合、40%はコンベンショナルなディーゼルやガソリン・エンジンの燃費をよくすることで埋めようと考えています。

残りの30%は、それぞれのクルマの開発による最適化で対応します。空力や摩擦抵抗の低減などです。そして、残りの30%が、他のパワーですね。ハイブリッドもそうですし、プラグイン・ハイブリッド、Gトロン、そして今はフューエル・セル(燃料電池車)の開発も行っています。さらに、バッテリーEV。こういったコンベンショナルなエンジンではないもので、カバーしていこうと考えています。

フォルクスワーゲン・グループは大きな組織なので、それぞれの組織に開発センターがあります。大きなところでいえばフォルクスワーゲンやアウディですが、ポルシェにはスポーティな開発を担当しています。それぞれのブランドの開発センターにおいて、開発していく役割が与えられており、それをグループとして最適化し、最適なタイミングで最適なクルマに採用していくのが、ひとつの戦略となります。

そういった開発の中でコンベンショナルなディーゼルやガソリン・エンジンは、ベースになりつつ、そこでいかに電動化をプラスしていくのか? そこに電動化を計りながらも、ターボという可能性も出てくると思います。

それとは別の軸で、各国のレギュレーションが異なっています。たとえば中国であれば、電動化された新しいクルマは50kmをEVで走らなければならないというルールがあります。ところがアメリカには、そんな必要はなくて、15~20マイル(約24~32km)で良かったりします。EUにおいては、今、ちょうどルールの策定が行われているところで、おそらく30~40kmとなりそうです。こういった各国に別々のレギュレーションがありながらも、それをひとつの大きなグループとしてのモジュラーの中で考え、それぞれの国に対応していくことを進めています。

----:今回、VWが発表した『XL1スポーツ』にドゥカティのエンジンを採用していますが?

ハッケンベルク:XL1は私のベイビーです(笑)。自分がフォルクスワーゲンにいたときに、開発を始めたものです。最初のアイデアは、キャビンにカーボンを使うところです。あとは、前後にアルミスペース・フレームを採用しているところでしょう。また、モジュラーをうまく使って、軽いクルマを作りたいと考えました。そのためには、軽いエンジンが必要で、最初はランボルギーニのものを考えたこともありました。ただ、グループの中で可能なエンジンとして、ドゥカティの名前が挙がりました。今回は、 “このブランドに、このブランドのエンジン!”というのではなく、クルマありきで、このクルマに最適のエンジンがグループの中で、どこから調達できるのかを考えて実現したものです。

----:フォルクスワーゲンのグループの中で、アウディはどのような役割を果たすのでしょうか?

ハッケンベルク:技術においてリードをすることです。たとえば、ランボルギーニはスポーツカーの技術をリードしますが、あくまでもアウディ・グループの中で、彼らはその役割を担ってもらっています。アウディにも『R8』がありますが、スーパースポーツのプラットフォームは、開発はアウディでやっていて、それを最初に世の中に出すことをランボルギーニがやっています。

そして、アウディのもうひとつの大きな役割は、共通モジュールであるMLBプラットフォームのV型エンジン用は、すべてアウディが先行して開発しています。また、カーボンであったり、アルミであったり、自動運転だとか、そういう技術は、基本はアウディがリードして技術開発をしています。もちろんポルシェもいますので、彼らは、スーパースポーツカーのプラットフォームの開発を担ってもらったりもします。

----:自動運転に関する考えを教えてください。

ハッケンベルク:自動運転は、まさにアウディにとってキーテクノロジーです。初めて実用化されるモデルは、2016年にやってくる『A8』です。もちろん、ある程度、限られた状況となりますし、それぞれの国によっての法規があるので、それに準じたものになってくるでしょう。とにかくアウディはカリフォルニアで、初めて実験を許可されたブランドです。もちろんフロリダでも実験を行います。他のブランドは、アウディに続いてやってくるでしょう。まずは、アウディがプレミアム・ブランドとして初めてカリフォルニアで許可されたということを申し上げたいと思います。

自動運転化の核となる半導体技術などは、今年の頭のラスベガスで開催されたCESショーで発表させていただきました。開発は、A8用に行われており、それに続いて他の車種に転用されていく予定です。

----:そうした自動運転の目的は何でしょうか?

ハッケンゲルク:基本的なところは安全です。テレマティクスやスマートフォンが発達して、ドライバーの注意力が散漫になっているということもあります。その注意散漫により起こる危険や操作ミスを、どうなくしていけるのか? というのがベースの考えにあります。“アシスト”と“正す”というふたつが自動運転のベースです。そのため、 クルマ自身が“その状況において、なにをすべきか?”というのを判断していくことが、自動運転で大切なことになってきます。

また、国それぞれに法規が違います。たとえばストレスで言えば、ドライバーがストレスにさらされているときと、ストレスが極限まで高まることに分けられます。ストレスにさらされる、不快であるというのは、特に渋滞のときですね。その状況で、いかにリラックスさせられるか? それは渋滞の中でステアリングから手を離しても大丈夫なようにするか。それは、国によって法規が異なります。ヨーロッパだと10秒しか手を離してはいけない。アメリカであれば、オープンに手を離せる。そうした、それぞれの国の法規の状況を見つつ、安全の先進技術を自動運転の中に入れていくことを考えています。
《鈴木ケンイチ》

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