レースは早くも9時間が経過。トップは変わらずトヨタ『TS040ハイブリッド』7号車で、137周目に突入。距離にすると、すでに1860kmを走破した計算になる。
スタートから6時間のところでバトンを受け取った7号車トヨタの中嶋一貴は、今年のポールポジション獲得ドライバーの名に恥じない素晴らしい走りを披露。ピットアウト直後から3分24秒台のタイムを記録。ほぼ一騎打ち状態になり始めているアウディ『R18 e-tronクワトロ』2号車との差を広げにかかる。
6時間半が経過したところでLMP2クラスの47号車KCMGがフォードシケイン手前でコースアウト。コース中央部分に停車したため、安全確保のため3度目のセーフティーカーが導入。このタイミングがトップ2台の明暗を分けることになった。ちょうど、予定していたピット作業とセーフティーカー導入が重なった2号車アウディは隊列整理のためにピット出口が一時封鎖されたところに居合わせてしまいタイムロス。逆に1周後の予定だった7号車トヨタは特に大きなロスもなくコースへ復帰。これにより55秒だった差が1分50秒に広がる。
約20分ほどでレースが再開されると、中嶋はトヨタ・レーシング、そして自身の初優勝のために激走を開始。安定したラップタイムで追いすがる2号車アウディを寄せ付けない。結局1分54秒までリードを広げて8時間を経過したところでアレックス・ブルツにバトンタッチ。エースとして求められている以上の仕事をやってのけた。2位には2号車アウディが続いており、夜間での追い上げが期待されたポルシェ『919ハイブリッド』20号車は、2度のコースアウトが影響し、4位に後退。代わりに1号車アウディが順位を上げている。
ここまで絶好調の7号車に対し、同チームの8号車は8時間を過ぎたところで再びマシンをガレージに入れ修復作業を開始。どうやら序盤のクラッシュの影響が出ている模様。この他にも各クラスのマシンにトラブルやアクシデントが出始めており、いよいよ過酷なサバイバルレースが幕を開けようとしている。
<スタート後9時間終了後順位>
1位 7号車トヨタ(137周)
2位 2号車アウディ(+1分40秒)
3位 1号車アウディ(1周遅れ)
4位 20号車アウディ(2周遅れ)
5位 14号車ポルシェ(6周遅れ)