欧州トヨタがフランクフルトモーターショー13で初公開した『ヤリス ハイブリッド-Rコンセプト』はルマンカー譲りのテクノロジーを搭載したモンスターコンパクトだ。
ヤリス ハイブリッド-Rコンセプトは、欧州向け『ヴィッツ』の3ドアをベースに、モータースポーツで磨いたトヨタのハイブリッド技術を投入。今年のルマン24時間レースで2位を獲得し、WEC(世界耐久選手権)に参戦中の『TS030ハイブリッド』と同様の技術が、パワートレインに採用される。
搭載エンジンは、トヨタモータースポーツの開発した直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボのGRE(グローバル・レース・エンジン)。モータースポーツでの使用が前提のこのエンジンは、最大出力300psと、排気量1.6リットルとしては異例のパワーを引き出す。
これに、2個の強力なモーターを組み合わせる。エンジンは前輪を駆動。後輪の左右にそれぞれモーター(最大出力60ps)を配置し、エンジンとモーターを合わせたトータル出力は420psとなる。システムではスーパーキャパシタを後席下に搭載。ルマンやWECレーサーのTS030ハイブリッドの技術を応用した部分だ。
インテリアはスポーツシートが搭載され、各所にブルーのアクセントが配されている以外に大きな変更がないのは意外だが、セレクターレバーはドグミッション化され、ステアリングスイッチには「BOOST」ボタンが。このボタンを押下することによってキャパシタ&モーターのパワーで強烈な加速を実現するものと思われる。