◆あっという間にランキング上位に定着ここ半年余りの間に、国内の新車市場で長打級のヒット車種が3台も登場した。トヨタ自動車の『アクア』、ホンダの『N BOX』、ダイハツ工業の『ミライース』であり、あっという間に車名別販売ランキングの上位に定着した。半年余りの短期にヒット車の誕生がこれだけ集中するのは珍しい。成熟市場の日本でも「もっといいクルマ」を出せばメガヒットは生まれるのだ。これら3モデルは、5月の販売ランク(ミライースは『ミラ』シリーズで集計)で、トップの『プリウス』に次いで2~4位を占めた。軽自動車のランクでは4、5月とN BOXが1位、ミラは2位につけた。ミラはミライースが投入された翌月の2011年10月から今年3月までの6か月は連続トップであり、今年1~5月累計でも軽の首位を走っている。両モデルのトップ争いは今後も続きそうで、11年度まで9年連続で軽ナンバー・ワンだったスズキの『ワゴンR』を脅かす存在となってきた。ホンダの11年の軽シェアはOEM調達のみで事業展開している日産自動車に抜かれ、4位に後退していたが、N BOX効果で今年は3位を奪還している。◆3モデルのヒットの理由ホンダの日本営業を担当する峯川尚常務執行役員は、11年11月にN BOXを発表した際、12年の軽販売は「11年見込み比で倍の28万台を目指す」と表明していた。その時は風呂敷を広げ過ぎとの印象だったものの、すでに5月までで13万台余りの実績をあげている。年内にはさらに「N」シリーズとして2モデルを追加するので、エコカー補助金終了の反動を考慮しても、目標達成が見えてきた。アクアをはじめとするこれら3モデルにはそれぞれヒットする理由がある。アクアは、3代にわたるプリウスが築いたハイブリッド車(HV)の認知や信頼性の基盤のうえに、使いやすいコンパクトサイズで、より普及しやすい価格を実現した。ガソリンエンジン搭載車で世界トップの燃費性能も、ユーザーには分かりやすい。◆補助金終了後もオファーは集中?国内販売車で初の30km/リットル(JC08モード)を達成したミライースも、燃費と価格訴求という点はアクアに共通する。軽本来の経済性をトコトン追求し、トールワゴンが主流の軽市場にあって、2BOX車の復権をも演出している。N BOXは、燃費や価格で突出した魅力はなく、スペース重視型のカテゴリーそのものも他社追随だ。しかし、最大の居住空間に加え、より具体的な使用シーンを追求した商品企画が勝利を呼び込んだ。例えば、女性がひとりで普通サイズの自転車を車室内に収納できるという造り。母親が夜間や雨天時に子どもを迎えに行く日常をピンポイントで想定したものだ。国内市場は、エコカー補助金終了後の秋以降に減速が避けられないものの、こうした「もっといいクルマ」への影響は軽微と見る。むしろ、総需要が縮小するなかでは、これらのヒットモデルにオファーが集中する可能性が高い。
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