ATがないために日本への導入が遅れていたモデルだが、実際に乗った印象は期待を上回るほどではなかった。
マイナーチェンジが行なわれたが、今回はフェイスリフトが中心。パワートレーンなどは前回チェンジのときに改良が加えられており、大きく変わった部分は少ない。
思わずウットリしちゃうような世界はもっていないけれど、マジメに設計された小型車。清潔感溢れる内外見た目も加点要素。骨太で信用できそうな乗りアジ。
フランス車らしいお洒落なクルマだ。ドライビングシートに座るとサポートもいいし、センターアームレスト付きなのもうれしい。大型の三角窓など、まわりがガラスで囲まれ、非常に開放感があるのが特徴。
エクステリアは丸みを帯びた可愛い雰囲気から、幾分大人びたフォーマルなイメージに成長。ただし、インテリアは、ジャガーらしい伝統のクラシカルなムードを踏襲している。
昔からユニークなクルマ作りを通しているシトロエンだが、『ピカソ』は誰でも飽きずに長く乗ることができるだろう。
熟成によって、こんなによくなっていく例も珍しい。最初が悪かったとはいわないが、はじめからこのレベルの仕上がりだったら、もっと人気が出たろうに。
顔がちょっと変わったというが、正直、どこがどう変わったのかよくわからなかった。ただひざびさに乗って案外いいなぁ…とは思ったね。
「2000年のデビュー以来、去年までATの設定がなかったから」とはいえ、日本導入が何とも遅きに失した感が拭えない。
新シリーズ中のオススメは、個人的には断然2.5リッターモデル。加速は強力とはいい難いが、それでも限られたエンジンパワーを効率よく引き出す6速ATの助けもあって、まず不満なく「ジャガーらしい走り」を実感できるだけの動力性能を実現させている。