『マークII』の後継だが、よりスポーティな方向に振ったスポーツセダンとなっており、しっかりとしたハンドリングと直進安定性がこれまでのマークIIと比べて大幅にアップしている。
スタイリング上のインパクトは強くはないが、「何とはなしに日産車に見える」というアイデンティティのアピールはなかなか上手い。オーバーハングを切り詰め、車輪を全幅いっぱいまで張り出したことによる安定感あるプロポーションもダイナミックだ。
マスプロ戦略全盛の今の時代にあって「ひと月に日本で500台、アメリカで1500台の合計2000台が売れれば、ペイできる」というマーケティングは注目に値する。
名前も変えて心機一転、のスタイリングは、なるほどタイヤが大きく踏ん張って見えなかなかのダイナミックさ。張りのあるボディパネル面の造形も意外なまでに有機的で情感タップリ。リアパンパー組み込みのテールパイプエンドもかっこイイ。
もしもT社が販売すれば、軽く月販1万台は突破しそう…」と、正直そんなふうに思えるルックスの持ち主が新型『スイフト』だ。
VW『ゴルフ』宿命の(?)ライバルである『アストラ』は、新型となって見た目にも心機一転。そのブランドイメージの強さゆえ“守り”に入っているようにも見える新型ゴルフに比べると、エクステリアデザインはむしろより鮮烈で個性的という印象すらを受ける。
大型サイズでランバーサポートの効いたフロントシートは嬉しいが、そんな大判シートを実現させるための操作レバーの“内側配置”は初めて乗るとやっぱり戸惑う。
大きめのドアは乗り降りがしやすく、乗り込むとゆったりサイズのシートが迎えてくれる。太股を支える部分が出っ張りすぎるような気もするが、座り心地は悪くない。
新型『アストラ』では快適性と高いアクティブセーフティを両立させたIDSと呼ぶシャシーシステムが特筆される。
搭載エンジンは1.3リッターと1.5リッターで、ともに可変バルブタイミング機構付きの自然吸気DOHC。1.3リッターは91ps/12.0kgmの実力で、箱根の山道などではもう少し力が欲しいという気分にさせられるが、市街地で走るならこれでじゅうぶんの印象。