初代モデルに比べると、随分と“鼻の下”が伸びた感じのマスクとグンと増した塊感が特徴的な新型。ドアの閉まり音が重厚になったいっぽうで、フロントドアの開閉時の重さにはちょっとビックリ。
自ら『ティーダ』のマーケットを食ってしまいそうなキャラクターの接近ぶりが引っかかるけれど、価格を考えるとコストパフォーマンスの高さが光る一台。
3列シートといっても、いつも全席乗るわけじゃない。たまに使えば「元を取った」気になれる。それより普段のセダン/ワゴン的な使い勝手が大切だ。そこを徹底したのが新型プレマシーで、はっきりいって「4人乗りノッポ系ワゴン」がその正体。
「普通」が一番。一家に1台ニッサン『ノート』。とかく速さとか凄さばかり喜ぶ世相に冷や水を浴びせる傑作ファミリーカーだ。手ごろな大きさの中に「当たり前の使いやすさと当たり前の性能」を過不足なく詰め込んである。
「ミニバンにはあらず!」と自ら訴えた初代モデルの崇高な(?)コンセプトはあえなく撤回。今度は「ミニバンらしいミニバンを作りたい」という思いの上に生みだされたのが、今度の『プレマシー』という。
『R1』も『R2』もカッコがキモイと思う。だって、いまどきアールデコなんだもん。「小さな高級車」をやろうと思ったのだろうが、軽なんだから、高級である必要なんかないだろう。とはいえ、カッコは個人のスキズキである。
『R1』の搭載エンジンは自然吸気の4気筒DOHC。40kW/63Nmのパワー&トルクは軽自動車として平均的なものだが、コンパクトなボディで車両重量が800kgと軽いので、動力性能に関してはとくに不満を感じない。
6+Oneのコンセプトによる2列目中央部分の使い勝手が大きなポイント。窮屈な7人乗りにするより、6人がゆったり乗れるミニバンを目指したのはひとつの考え方。定員いっぱいの7人が乗る機会は実際には少ないからだ。
『マーチ』系のプラットホームを採用しながら、大きな室内空間を持つクルマに仕上げられた。テールランプがルーフにまで回り込む特徴的なデザインを採用する点も魅力だ。
いまはすっかり慣れてしまったが、初めてこのクルマを見たときは、カッコイイと思った。“巨顔”になったフロントマスクがとくにイイ。スーパーカーみたいな力強さもあるし。中身のほうは、これぞ「正常進化」という感じである。