ミニ『SLRマクラーレン』風に変身。サイズは大きくなったが、カッコイイと思う。バリオルーフは動きが一段と整理され、作動スピードも速くなった。
“シグマ・アーキテクチャー”という新しい車台を使った新世代キャディラックのデザインにはどうしてもなじめないが、『STS』のカタチはこれまででいちばんとっつきやすい。
いやー、いいクルマです。普通にいい。ま、スタイルは「スゲェ美しい、『ゴルフ』と比べものにならない」っていう人もいるけど、正直、日本にあっては埋没するし、インテリアもゴーカさほとんどナシ。
スタイルはパッと見ややフランス車っぽくスカしてるけど、普通にキレイで実用重視でマトモ。そのおかげか居住性もバッチリで、とくにリアシートは高級セダン並みに広くて快適。
まさに(今までの)日本車以上ドイツ車未満って感じ。見た目はけっこうエレガント系で、正直、モーターショーのときより地味に見えたけど、普通に美しい。今までの日本車のレベル超えてます。
ハッキリいって個性の塊で、コレを買う人は非常に男らしいし、俺は尊敬する。マジ、ホリえもんかなんかに買って欲しいところだ。
恐れ入ったのはスタイリング。マークIIっぽいグリルを使いつつも、よく見るとボディはかなり肉食系。ボンネットのエグいV字ラインからリアにかけて3つの塊が縦に並んでるようでけっこうスポーティ。
こちらもわかりやすさを全面に出した「スポーティな走り」がウリ。
パワフルさを演出しすぎたスロットルチューニング、高級サルーンにふさわしくない操舵に対するゲインの高さ、限界の高さや俊敏さだけを求めて情報伝達を無視したリアのアクティブステアなど、走りにおいてはチグハグな部分がいっぱい。
SH-AWDの生み出すスタビリティの高さは圧倒的で、欧州セダンと比べても同等以上。多くの人が「よく曲がるだけのサルーン」と勘違いしているが、本質はその裏で圧倒的なスタビリティが表裏一体で実現されていることだろう。