もしもT社が販売すれば、軽く月販1万台は突破しそう…」と、正直そんなふうに思えるルックスの持ち主が新型『スイフト』だ。
VW『ゴルフ』宿命の(?)ライバルである『アストラ』は、新型となって見た目にも心機一転。そのブランドイメージの強さゆえ“守り”に入っているようにも見える新型ゴルフに比べると、エクステリアデザインはむしろより鮮烈で個性的という印象すらを受ける。
大型サイズでランバーサポートの効いたフロントシートは嬉しいが、そんな大判シートを実現させるための操作レバーの“内側配置”は初めて乗るとやっぱり戸惑う。
大きめのドアは乗り降りがしやすく、乗り込むとゆったりサイズのシートが迎えてくれる。太股を支える部分が出っ張りすぎるような気もするが、座り心地は悪くない。
新型『アストラ』では快適性と高いアクティブセーフティを両立させたIDSと呼ぶシャシーシステムが特筆される。
搭載エンジンは1.3リッターと1.5リッターで、ともに可変バルブタイミング機構付きの自然吸気DOHC。1.3リッターは91ps/12.0kgmの実力で、箱根の山道などではもう少し力が欲しいという気分にさせられるが、市街地で走るならこれでじゅうぶんの印象。
搭載されるV6 3.5リッターエンジンは、国産車として初めてエンジン出力の自主規制枠超えて300psのパワーを発生するが、パワーの出方はスポーツカー風のものではなく、高級車らしい滑らかな力強さとして表現される。
『マークX』の300系に乗ると“速い!!”という印象を受ける。同じV6 3リッターの直噴エンジンを搭載する『クラウン』に比べ、70kgくらい軽く作られているので、加速フィールには大きな違いがある。
350GTスポーツパッケージは19インチタイヤを装着し、アクティブリヤステア(従来の電動スーパーHICAS)を備えるなど、『フーガ』らしいスポーティな走りを実現したモデル。
ヨーロッパでVW『ゴルフ』より売れているモデルながら、日本でのブランドイメージは薄い。乗ると決して悪いクルマじゃないのだが、ゴルフのような過剰品質感なく、いい意味でも悪い意味でも日本車風。