今もっとも気になっている一台。グローバルブランドとしての再生ということから、全幅が1795mmに拡幅された点は気になるが、前後の絞りを効かせたスタイリングは必要以上にクルマを大きく見せていない。
難しいヒット作の3代目。マツダが選んだのは初代NA型への原点回帰だった。
鉄仮面みたいな顔つきが特徴だが、実際には「気は優しくて力持ち」。細部まで神経が行き届いた設計で、フロントドアのガラス部を少し切り下げたところも、すぐ近くを確認するのに効果的だ。
初代も2代目も簡潔なハコ形が人気だったが、さすが3代目もキープコンセプトでは苦しい。そこで設計者が「絶対にハコにはしたくなかった」とゼロから挑戦したのが、かえって強い存在感につながった。
こんな顔に大きなライオンの記章だから、初対面の印象は「4ドアのフェラーリ」。全体の輪郭もクーペ的だ。したがって、ミドルサイズにしては後席の広々感など犠牲になっている。その点はセダンだけでなく、豪華ワゴンのSWも同じ。単なる広さならモノスペース(ミニバン)に乗れということか。
ここんとこシトロエン、ちょっとずつ「らしさ」を取り戻しているようで嬉しい。クルマの中身なんて世界共通ともいえる現在、独自性を訴えるにはデザインが一番だから、ダブルシェブロンを強調したグリルなども効果的だ。
巷間よくいわれるような「アルテッツァの後継車」などではない。若者なんぞお呼びでない大人の本格スポーツセダンだ。というと、すぐ比較の対象とされるのがBMW『3シリーズ』だが、結論からいえばほとんど互角。
最初は印象希薄だが、見慣れるにしたがって存在感が濃くなる。内に秘めた静かな力量ということか。とにかく全体どこにも破れ目がない。さすがに、これまで培ってきたトヨタのクルマ作りの集大成だけのことはある。
一大ブームを巻き起こした初代の記憶がまだ鮮やかなので、2代目が少し霞んでしまったマツダ『ロードスター』。それだけに3代目の商品企画も難しかったはずなのに、これ、かなりイケてるんじゃなかろうか。
全長、全幅を5ナンバー枠いっぱいまで使ったスクエアデザイン。『セレナ』は『ステップワゴン』とは対照的にサイズアップと内外装の質的向上で攻めてきている。