いまさっきGSRに試乗してきたばかりなので、印象は新鮮。乗り終えると、なんか「武道」をやったような乗車感が残るクルマである。
1年近く前に乗ったエボVIIIのMR・GSRに比べると、ターボラグが小さくなり、多少、乗り心地がマシになったかなと感じたが、そんな些末な違いはどうでもいい。乗れば相変わらずの“ランエボ”で、これがそのいちばん新しいやつである。
考えてみると、ランエボとスバルWRX・STIは「ニッポンの911」だなあと思う。高性能のために、磨かれて磨かれて進化していくという意味で。ただ、個人的にこの乗り心地はもういいかげんNGだ。とくに疲れているときはシンドイ。700円でこんな楽しめるところはない、とかいって、週末の首都高に通う30代までのクルマだろう。現行ミツビシ中、ダントツのお宝であることはいうまでもない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★☆☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
下野康史| モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部を経て、モータージャーナリストに転身。現在はクルマ雑誌を始め、週刊誌のコラムなど幅広く執筆活動を行っている。親しみやすい文体のなかに見える、鋭い着眼点や独特の語り口にファンは多い。