はっきりいって中途半端だ。念入りな作り込みやかゆいところに手の届く装備の充実ぶりはクラウンそのもの。その一方で「ユーザー像の若返り」も謳うが、狙い通りになっているような、いないような。
MRのスタビリティの高さには驚かされる。サーキットのラップタイムを大幅に短縮させるものではないが、荒れた路面での接地性は劇的に進歩しているし、ロールチェンジした時などの安定感は際立っている。
きわめて日本的な、中小企業の社長が走らせて満足できるような、そんな優しい走り味がクラウンの特徴だった。船のような乗り心地でいいのだとしてきた。
正直なところ“VIII”からの違いを実感できる割合は、速さよりもビルシュタインダンパー新採用による低速域での乗り心地向上のほうが大きい印象だった。
1.6リッターではちょっときついかな!? という予想を覆し、アイシンAW製の6速ATが頑張って、そちらの仕様でもそれなりに元気のよい動力性能を味わわせてくれたのがトゥーラン。
見た目上のドレスアップが中心で走りは“名前負け”の印象がともなった従来のSTiバージョンに比べると、今度のモデルの走りは、そのスポーツ度をグンと増した。
これ以上の高齢化を食い止めたい、と考えたトヨタは、歴代モデル中で最大級の割り切りに基づいて一新した。
次期ゴルフの基本コンポーネンツを先取りする形で登場したモデルだけに、基本性能の高さに好感が持てる。
本来はステーションワゴンから発展したSUVとして路面を選ばない走りのモデルだったが、クロススポーツに続いてSTiを設定し、走り志向を強めてきた。
クラウンってこんなによく走るクルマだったか、と認識を新たにさせられたのが今回のモデル。