ここまで成功すると、やはりキープコンセプト路線から外れるのは勇気が必要だろう。あのヘッドライトを最初に見たときは違和感を感じたが、乗れば乗るほど、それらが新しい『ロードスター』の目として馴染んでくる。
日本のモータリングカルチャーにぴったりのミニバン。それを代表するのが『ステップワゴン』だ。
『ステップワゴン』よりも個性をもつ『セレナ』は、けっこう存在感があると思った。ホンダのミニバンに比べてシャープさはないが、セレナのほうはデザインにこだわっている感じがした。あのグリルの細かい穴と大きめのヘッドライトの組み合わせがミニバンにしては悪くない。
ピニンファリーナがデザインした『406』の美人ボディに比べて、『407』の第一印象はイマイチ薄かった。横からボディを見ると、フロントのオーバーハングが若干長過ぎるし、大きな口を特徴とするフロントエンドに違和感を覚えた。
だいぶ年をとってしまった『クサラ』の後継車としては、『C4』は打ってつけのモデルではないか。やはりフランスはデザインのメッカだと感じさせる出来ぶりだ。
『GS』よりも小振りで軽いぶん、走りのテイストは全般に軽快。とくにどこから踏んでも強力な最新の3.5リッターユニットを積む『IS』350の走りは、豪快な加速と人車一体感の強いハンドリングの感覚からまさに「世界屈指の“プレミアムスポーツセダン”」と呼ぶのがふさわしい印象。
プラットフォームもエンジニアリングも、結局は『マークX』、『クラウン』、『マジェスタ』、『GS』、全部同じ。味の違いもごくわずか。それをBMW『3シリーズ』やM-B『Cクラス』(いかにブランド商品化したとはいえ、素材や味はそれなりの内容)と等価で買って「うれしい」と思えるのかどうか。
余裕の全長と全幅の持ち主ながら、歴代『アリスト』の雰囲気を受け継ぐクーペ風ルーフラインのお陰もあって、そのキャビンのパッケージング手法は明らかに「前席優先」型。
試乗会で同乗した某氏(商品評価の専門家ではない)の最初の感想は「『マジェスタ』に乗っているような…」
2代の先輩たちに敬意を表しつつも「何とか“新しさ”も演じたい」という切迫感も滲み出たスタイリングは、もうプラスαのインパクトも欲しかったけれどまずまずの新鮮さをもっている。