『ボクスター』がハードウェアとしていくら進化しても、リヤエンジン・リヤドライブの『911』のほうが上だとボクは信じている。それは単に速いとか扱いやすいとかいうことではなく、ドライバーがいかに愉しく操れるかという視点からだ。
今度はコードナンバー997 。特徴はヘッドライトが楕円に戻ったこと。やっぱりこのほうがポルシェらしい。まず発売は“カレラ”と“カレラS”だが、もちろん性能はベーシック仕様でもじゅうぶん以上。
アメ車は鈍感でボヨヨンで……みたいな思い込みは前世紀の遺物。新型キャデラック『STS』もしっかり国際基準を見据えた設計だ。これなら日本やヨーロッパのビッグセダンとも互角に勝負できそう。
はっきりいってカッコ悪い。「あたし、スーパーカー『SLRマクラーレン』に似てるでしょ」的な魂胆が見え見えのデザインだ。
メルセデスのラインナップにあっては、ミニ『SL』的な雰囲気のある『SLK』なのだが、新型になってひとくらす車格を引き上げている。
もはや新世代のキャデラックには、古くから語られてきたアメ車の面影は薄い。豪快で荒々しくだが乗り心地はきわめてソフト、といったものではなく、大雑把にいえばヨーロッパ車の雰囲気が漂うのだ。
水冷になって久しいポルシェ『911』なのだが、997型になってからさらに乗りやすくなったと思えた。
3.6リッターの『カレラ』は試乗会のチョイ乗りだけだが、新しい3.8リッターの『カレラS』にはしっかり乗った。
ミニ『SLRマクラーレン』風に変身。サイズは大きくなったが、カッコイイと思う。バリオルーフは動きが一段と整理され、作動スピードも速くなった。
“シグマ・アーキテクチャー”という新しい車台を使った新世代キャディラックのデザインにはどうしてもなじめないが、『STS』のカタチはこれまででいちばんとっつきやすい。