最近は“クロスオーバー”という言葉が自動車業界で頻繁に飛び交っているが、三菱『RVR』は先代のミニバン的コンセプトをあっさりと翻し、SUVとコンパクトカーを融合させたモデルとして登場した。
『SAI』は、プリウスに続くトヨタのハイブリッド専用車第2弾とはいうものの、その意味合いはまったく別ではないかと思う。
最大のインパクトはデザイン。ロー&ワイドでまさにスポーツカーのセオリー。ズバリかっこ良い! インテリアも未来感があり、それでいてオモチャっぽくない。
日本では『クラウン』と勝負する一方で、海外では欧州セダンと対抗する「インフィニティ」ブランドの顔をもつ『フーガ』。
最近、とんと新車のなかった三菱から久しぶりにリリースされた新型車が『RVR』。一言で表現すれば、『アウトランダー』よりひと回りコンパクトなサイズだけじゃなく時代にもジャストなSUVである。
ボクのような職業だと、毎月何台ものクルマに試乗する。だからいちいち「欲しい、自分のものにしたい」なぁんて考えていたらキリがない。よって、いつのまにかクルマを多少冷やかな目で見るようになっているのも本当だ。
もしかしたら「『インサイト』の2+2バージョンか?」という懸念は、幸いにも大きく外れていた。
トヨタ『パッソ』およびダイハツ『ブーン』の開発を指揮した鈴木敏夫チーフエンジニアによれば、デザインテーマは「素の美しさ」。なるほど4つのタイヤがボディの四隅に踏ん張る健康的な2BOXフォルムなのだが、「素」を主張するにしてはちょっとキャラが濃い。
もはや立派に市民権を得たSUVなのだが、やや軟弱路線に迎合している感があるのが気になるところ。そんな風潮に喝をいれるかのように、いかにも三菱らしく、クロカン風味を効かせているように映る。
ハイブリッドでもなく、スライドドアを持つわけでもなく、エグゼなソファ感覚の後席を備えているわけでもないオーソドックスなFRセダンにして、誰もが「部長」に昇格したような豊かな気分(!?)になれる、セダンの良さを再認識させてくれる1台が新型『マークX』だ。