ポルシェが2026年モータースポーツ体制発表…フォーミュラEと耐久レースに注力…『911 GT3 R』改良型も投入へ

ポルシェ『911 GT3 R』改良型
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ポルシェモータースポーツは、シュトゥットガルトの伝統的イベント「ナイト・オブ・チャンピオンズ」で2026年のモータースポーツ計画を発表した。

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主要な取り組みは、FIAフォーミュラE世界選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権へのファクトリーチーム参戦だ。

若手育成にも長年取り組んでおり、今年秋に行われたジュニア選手発掘で2人の新たな才能を見出したという。耐久レースではIMSAにポルシェ「963」、WECではLMGT3クラスに出場を続ける。また、フォーミュラEでは2026-27年シーズンにGEN4マシンを投入し、メーカーにとってより自由度の高い競技となることを期待している。

ポルシェモータースポーツ責任者のトーマス・ラウデンバッハ氏は、2025年のフォーミュラE世界選手権とIMSAシリーズでのタイトル獲得を「非常に成功した年」と振り返った。一方でル・マン24時間レースでは僅か14秒差の2位に終わり、「悔しさもある」と語った。

2026年シーズンはフォーミュラEの開幕戦が12月6日にサンパウロで開催されるほか、IMSAは1月末の24時間デイトナで開幕予定で「過去に例がないほどエキサイティングな年になる」と意気込む。

フォーミュラEでは、ポルシェは現在のGEN3世代を締め括る12シーズン目に参戦。ファクトリーチームに加え、米国のアンドレッティやカップラ・キロといったカスタマーチームも「99Xエレクトリック」を走らせる。ドライバーとしては、スイスのニコ・ミューラーがファクトリーチームに移籍し、前チャンピオンのアントニオ・フェリックス・ダコスタから引き継ぐ。新世代マシンGEN4は800hp超のパフォーマンスが期待されており、2026-27年シーズンに導入される予定だ。

IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツチームが2026年もトップのGTPクラスに2台のポルシェ963を投入する。レースは1月末のデイトナ24時間から始まる。ドライバーはフランス人のケビン・エストレやベルギー人のローレンス・ヴァントールらが務める。顧客チームのJDC-ミラー・モータースポーツも963で参戦を継続する。

ドイツのローレンス・ハインリッヒとトルコのアヤンカン・ギュベンという元ポルシェジュニアがファクトリードライバーに昇格するほか、フランス人のアレッサンドロ・ギレッティ、ドリアン・ボッコラッチ、英国のハリー・キングも新規加入する。

またデジタルレース部門のポルシェ・コアンダ・eスポーツチームは、ドイツ・ケルンに新設されたエスポーツパフォーマンスセンターで活動を続ける。2026年からはスペインのアレハンドロ・サンチェス・ベリソが加入予定だ。

さらに、『911 GT3 R』の改良型が世界の主要GTレースでカスタマーチームにより投入される計画も明かされた。ポルシェはモータースポーツを通じて得た技術を市販車へと活かし、将来のスポーツカーに向けた競争力強化を図っている。今後もワークスチームとカスタマーチーム双方による国内外のさまざまなレースでの活躍が期待される。

《森脇稔》

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