トヨタ自動車は、SEMAショー2025において、ピックアップトラック『タコマ』に水素燃料電池技術を搭載した『タコマH2オーバーランダー・コンセプト』を初公開した。
このコンセプトカーは、水素燃料電池電気自動車(FCEV)とEVの技術を組み合わせ、排出するのは水のみという環境に配慮した設計となっている。TNGA-Fトラックプラットフォームをベースに、トヨタレーシングデベロップメント(TRD)のカリフォルニアとノースカロライナのエンジニアリングチームが開発した。
パワートレインには第2世代トヨタ『ミライ』の燃料電池スタックと、フレーム内に収納された3つの水素タンク(容量6kg)を搭載。24.9kWhのリチウムイオン電池パックと組み合わせ、225kWのフロントモーターと188kWeAxleにより、合計547hpを発揮する。
15kWの電力供給機能を備え、オフグリッドでの家庭用電源や、デュアルNEMA 14-50アウトレットを通じてEV2台の同時充電が可能だ。これにより、電気自動車で走行する仲間が道中で立ち往生することを防げる。
革新的な特徴として、特許出願中のTRD排水回収システムを搭載している。このシステムは水素燃料電池スタックの唯一の副産物である水を捕集・濾過し、キャンプや屋外活動での洗浄やシャワー用に利用できる。この水は本質的に蒸留水で、ミネラルを含まないため洗浄に適している。
シャシーとサスペンションも大幅にアップグレードされ、TRDビレット・ロングトラベルキットと、トヨタ『タンドラ』のサスペンション開発から転用した高性能フォックス2.5パフォーマンスエリートシリーズショックを装備。17×8.5インチのカスタムホイールに35×12.5R17のオフロードタイヤを組み合わせ、優れたトラクションを追求する。
外装には、リサイクル炭素繊維エアロパネルを使用したカスタマイズされたオーバーランディングキャンパーを装備。前後にヘビーデューティーオフロードバンパー、リカバリーポイント、ウインチ、デュアルスイングアウトを備える。荷台にはタイダウンとリカバリーボード収納システムを組み込んでいる。










