スズキは10月9日、浜松工場でユーザー参加型イベント「V-STROM Meeting 2025(Vストロームミーティング2025)」を開催した。あいにくの雨天となったが、それでも『Vストローム』オーナーを中心に全国から688台、912人ものファンが集結。トークショーや工場見学などを楽しみ、ファン同士の交流を深めた。
【画像】Vストロームミーティング2025の風景と新型Vストローム250SX
◆開発者「650ccエンジンはますますアップデートさせる」
『Vストローム』はスズキのバイクを代表するアドベンチャーモデルだ。現在は250cc、650cc、800cc、1050ccの排気量で計8モデルの多彩なラインアップを誇り、幅広いライダーのバイク旅を支えている(650ccのVストローム650は生産を終了)。そんなVストロームオーナー&ファンに向けスズキが主催するのがVストロームミーティングで、今年で11回目を迎えた。
Vストロームミーティング2025今年も恒例となる開発者や78歳の冒険家・賀曽利隆氏によるトークショーや、イベントオリジナルグッズの物販、Vストロームやスズキ車にゆかりある出展企業12社によるブース展示、工場見学にグルメなど多彩なプログラムが用意され、来場者は思い思いにイベントを楽しんだ。
開発者トークショーでは、Vストローム1050/DEのチーフエンジニアである東郷隼也氏、Vストローム800/DEのチーフエンジニアである加藤幸生氏、Vストローム250/SXのチーフエンジニアである鈴木一立氏が登壇。開発秘話の披露や、来場者からの質問、要望に答え、会場を沸かせた。
Vストロームシリーズ開発者によるトークショー。マイクを持つのが800系、新型SV-7GXを手掛けた加藤氏
トークの中では、11月4日に「EICMA2025」で発表された新型クロスオーバー『SV-7GX』についても触れられた。このSV-7GXは、生産終了が発表されたVストローム650に搭載された650ccのVツインエンジンに電子制御を加えることで環境性能を向上し搭載する。そのため「次期Vストローム650の可能性」についてMCのノア・セレン氏が開発陣を追及したのだ。
SV-7GXも手がける加藤氏は、650ccエンジンについて「1999年の生産開始から50万台以上を売った名機」と紹介し、「650ccエンジン自体は、今後も残るどころか、ますますアップデートを加えて新しいエンジンになっていく」と説明すると、会場から拍手が巻き起こった。一方で、それが新型Vストローム650として登場するかについては、「将来の商品展開については伝えられない」とつれない回答だったが、Vストローム650の存続を望むファンの声は届いており「ぜひ考えていきたいと思います」と話した。
◆今回のサプライズは『Vストローム250SX』の新グラフィック!
スズキ Vストローム250SX(参考展示車)ミーティングイベントでは、必ずと言って良いほどサプライズを用意するスズキ。今年の「カタナミーティング2025」では、販売されなかった“幻”のマットブラックカラーの『カタナ』を披露し、「GSX-S/Rミーティング2025」では未発表(当時)の『GSX-S1000』と『GSX-S1000GT』の新色を初公開した。そして今回のVストロームミーティング2025では、『Vストローム250SX』の新グラフィックモデルをひっそりと展示・試乗コーナーに並べていた。
多彩なラインアップを誇る中でも250ccクラスに全く異なる2車種を用意しているVストロームシリーズ。“素の”Vストローム250と「SX」の大きな違いはエンジンで、スズキの独自技術が注ぎ込まれた単気筒249cc油冷エンジンを搭載するのが特徴。またシャシーから全くの別モノで、フロントホイールを19インチのブロックタイヤとするなど、よりオフロード色を強めたモデルでもある。丸目一眼のVストローム250に対し、最上位の1050を彷彿させる角目のヘッドライトを採用したシャープなデザインも個性となっているほか、シリーズ最安値の59万1800円から(現行モデル)という価格も大きな魅力だ。
スズキ Vストローム250SXの新グラフィック(参考展示車)展示されたチャンピオンイエローのSXの新グラフィックは、ひと目見たイメージこそ大きく変わらないものの、ブルーとブラックのストライプがサイドカウルのエッジを際立たせるようなデザインとなり、「SUZUKI」のロゴが前面に、「SX」の文字が実線になり強調されるなど、よりSXの存在感をアピールするものとなっている。今回はグラフィックのみの変更で、スペックに変更はない。価格や発売時期については未発表だが、そう遠くない時期に明らかになるだろう。
展示・試乗コーナーではこの車両が発表前モデルであることを全くアピールしていなかったため、それと知らずに跨り試乗を楽しんだ参加者も少なくなさそうだ。それでも「何かが違う」ことに気づいたファンは、写真を撮ったり化粧プレートに書かれた「参考展示車」の文字をチェックしたりしていた。
スズキ浜松工場で生産されるVストローム800と800DEイベントではVストロームを生産する工場内のラインを見学することも。無料で見学できる貴重な機会とあって、行列ができる人気となっていた。ここでは1日あたり300~400台のバイクが生産されており、昨年は一年で8万台を生産したという。この日は日曜日のためラインそのものは稼働していなかったが、主力商品であるVストローム800とVストローム800DEの組み付けをおこなう第一、第二ラインを公開。車体が共通の800であっても、電子装備などの違いによって組み立てる順番が全く違うことなどが紹介されると、参加者からは驚きの声が上がっていた。
来場者の9割以上(筆者目算)がVストロームという、スズキのファンイベントの中でも特に熱量が高いVストロームミーティング。さらなるファン拡大と、12回目の開催を約束し幕を閉じた。
Vストロームミーティング2025









