オーディオコンペでも活躍する堀田さんと愛車のダイハツ『テリオスキッド』。アナログ的手法によるサウンドチューニングにこだわるのがオーナー流。フロント4ウェイにはパッシブネットワークの使用に加えて、インストールや周辺処理などで高音質化のための数々の工夫が凝らされている。
◆Aピラーにツイーター以下の3ウェイを設置
フロント4ウェイ・サウンドの根幹とする



オーディオコンペなどでも活躍する堀田さんと愛車のテリオスキッド。年々音の精度を高め、クオリティは最上級にまで達している。そんな堀田さんのオーディオカー作りにおけるコンセプトは、アナログチューニングにこだわる点です。前編でもお伝えした車内の音響チューニングを行う拡散材の設置やオリジナルのパッシブネットワークの使用など各部をアナログ処理でコントロールして高音質を追求するのが狙い。
象徴的なインストールとなったのがAピラー。かなり複雑な造形でこの狭いスペースにツイーター(モレルのピッコロII)ミッドハイ(モレルの38LE)ミッドロー(モレルのイレイトカーボンMW3)の3つのユニットをインストールしているのが見どころ。しかも直進性の高いツイーターやミッドハイをリスナーに向けて設置し対するミッドローは横方向に向けた取り付けとしているのも計算され尽くしたインストールスタイルだ。
アナログ的なチューニングにこだわる堀田さん。まずはインストールで音決めを引き出しさらにツイーターはパッシブネットワークのみで帯域分割を行うのも特徴。高域のクリアさを追求するためのひとつの手法となっている。
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◆独自のシステムと取り付けで目指したのは、力があって艶もあるライブなサウンド



フロントスピーカーは4ウェイ+センターとする充実のシステムとしたテリオスキッド。サウンド面で狙うのは実在感。音楽に力があって艶がある傾向の、まさに生音に近いサウンドを徹底追求している。先に紹介したAピラーの中高域系のスピーカー群に対して、中低域を担当するのがドアのミッドバス(モレルのスプリーモMW6)。
ドアパネルは大きく加工され音を重視した作り込みになっている。さらにドア後方には、車室内の音のチューニングをサポートする板材を用いるなど、ドアパネルをバッフル面と捉えた処理を施す。デザイン的にもドアを開けた際のインパクトは十分で、オーディオカーだけではないデザイン的な美しさも兼ね備えた。
先に紹介したAピラーに設置されたミッドロー(モレルのイレイトカーボンMW3)は、あえて低い周波数を出さずに、ドアのミッドバス側に担当させることで、中域のクリア感を引き出しているのも堀田さんならではのサウンドチューニングのひとつだ。
◆センタースピーカーで定位をサポート
コンペで戦える上質サウンドを完成させた




フロント4ウェイに加えてセンタースピーカー(モレルのイレイトカーボンMW3)もインストール。ダッシュまわりには吸音性を考慮して人工スエードを使った処理を施し、ここでもアナログチューニングによる音響コントロールを施している。センタースピーカーはあくまでも補助的な鳴らし方で、フロント定位の明確さをサポートする働きを持たせている。
コクピットは質実剛健。必要なユニットなどを使い勝手の良い場所に適材適所で配置するのも堀田さん流。デジタルプレイヤー(AUNE GTS3)の操作部やDSP(リゾルトM-DSP)の操作部もダッシュ下にまとめて設置し、視認性&操作性ともにスマートな作りとした。
テリオスキッドの音質的な進化を長年にわたって楽しんでいる堀田さん。独自のアナログ的な視点からの音質向上を目指し、システム&インストールのグレードアップを存分に楽しんでいる様子だ。オーディオコンペでも活躍する堀田さんとテリオスキッド 今後もますますレベルの高いサウンドを追求していく予定だ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に携わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ クルマ 腕時計 モノ系 インテリア アウトドア関連などのライティングを手がけ カーオーディオ雑誌の編集長も請け負った。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。