クオリティの高いカスタム車両が勢揃いするカーショーとなっている『WEKFEST JAPAN 2025』が、今年もポートメッセ名古屋で5月3日に開催された。数多くのショップブースの中で、出展台数の多さやクオリティの高さでひときわ目立っていたのが「Moontech」(ムーンテック)ブースだ。
今年もWEKFESTに数多くの車両を持ち込んだムーンテック。デモカー、ユーザーカーいずれもが、ハイレベルな仕上がりで来場者の注目を集めていた。新旧車両や欧州車、国産車など、さまざまなベース車を扱い、それぞれのテイストを守りつつムーンテック流のフィニッシュとしているオリジナリティにより見どころ満載のブース&展示コーナーになっていた。
◆G80 M3コンペの完成度がやばい! 全方位スキなしで仕上げられた渾身の1台

中でも大注目のユーザー車両となったのがBMW『M3 Competition』(G80)、深いブリティッシュレーシンググリーンにオールペンされたエクステリアで存在感が際立っている。しかもエクステリア色に合わせてインテリアもグリーン×ブラウンでフルトリムされているのも見どころ。ダッシュやドアパネルなどを含めて、一部純正パーツ組合せながらのフルリメイクは隙の無い仕上がりなのも見事だ。


このクルマの施されたカラーリング&内エクステリアカスタムのテーマは「カッコカワイイ」だと言うだけに、クールだけじゃないどこか可愛げのあるスタイリングに仕上げているのも狙い通り。エクステリアはカーボンが美しいAdro製のフルエアロにホイールにHRE製クラシック「305」(20インチ)をチョイス、シンプルな5本スポークで、美しいリムを備えた奥行きのあるデザインが足もとを彩っている。鍛造3ピースモデルの質感の高さもこのクルマのグレード感にもマッチする。タイヤはトーヨータイヤ「プロクセス スポーツ」を奢る。

さらにエンジンルームを開けるとパワートレーン系にもかなりの手が加えられていることがわかる。代表的なものはCSFのインタークーラー一体型のインマニ。走りにおいてもただ者では無いことがエンジンルームの佇まいからも感じられるクルマとなった。
◆さり気なく履きこなすHRE、RUFオマージュのロワード964に惚れ惚れ

ブースにはムーンテックのデモカーであるポルシェ『911』(964)が登場した。深いフォレストグリーンでオールペンされたエクステリアは落ち着いたクラシカルな趣き、RUFポルシェをオマージュした完全オリジナルエクステリアになっているのが見どころ。レインガーターをあえて残したり、フェンダーの分割部分を統合するなど、細部に渡るカスタム処理も玄人好みの仕上がりになっている。

ホイールにはHREの鍛造3ピースモデルである「522」(18インチ)をチョイス、タイヤは同じくトーヨータイヤ プロクセス スポーツだ。インテリアにはキャメルレザーに加えてシートまわりに千鳥柄(ペピタ)の処理を加え、近年のムーンテックらしいテイストの仕上がりとした。隅々にまで想いがこもったデモカーとなった。

◆GARAGE ONEとのコラボがスタート!ちょいクラシックなE92 M3をAdro+トラックスタンスでアップデート

ムーンテックのブースにもう1台展示されていたのはインドネシアのショップであるGARAGE ONEのBMW『M3』(E92)。GARAGE ONEはムーンテックがパーツや技術を供給する関係にあることからのコラボで出展することとなった。エクステリアにはAdro製エアロキットをフルで装着し、ホイールにはレイズ製「ボルクレーシング 21A Spec-PW」(タイヤ:トーヨータイヤ R888R)を組み合わせるスタイル。装着された21AはPWカラー(プレスドダブルブラック)に進化したモデルで、WEKFEST会場でワールドプレミアされたこともありホイールを見つめるユーザーも多くいたのが印象深かった。


しかも右ハンドル/AT仕様をベースに選んでいるのもこだわり。セレクトの理由はインドネシアでのメイドインジャパンのカスタムカーへの憧れが強く、“日本のビルダーが作ったらこうなる”といった仕様を目指したのがこのベース車選定&パーツセレクトとなった。一方でロワードが程々なのは、インドネシアは未だに道路事情が悪く、実用性を考えるとこの程度が限界。そんなお国事情もリアルに反映された興味深いスタイルとなった。

そしてG80M3コンペが見事に「Euro of the Festival」のアワードを射止める。ムーンテックとしては計3つのアワードを獲得し、日本のカスタムシーンでトップランナーとしてその実力を見せてくれた。さらに今年は11月に開催されるSEMA SHOWへ2回目の挑戦が決まっており、今後もムーンテックのカスタムカーから目が離せない。