窮地のビッグモーター、検索サイト『カーセンサー』と『グーネット』が掲載を停止[新聞ウォッチ]

ビッグモーター(イメージ)
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  • ホンダ・リッジライン(北米仕様)

あすから8月20日までの間、長期の夏季休暇に入る自動車メーカーも多いようだが、トヨタ自動車など乗用車大手7社の2023年4~6月期の連結決算が出そろい、全社で売上高が最高となったほか、円安効果などで純利益も増益を確保したという。トラック・バス大手のいすゞ自動車も売上高、営業利益ともに4~6月期として過去最高となるなど、コロナ禍からの復調が鮮明となった。

きょうの各紙にも「自動車大手全7社増益」や「車7社全て売上高最高」などと取り上げているが、一方、新エネルギー車(NEV)をめぐる競争が激化する中国では、電気自動車の(EV)の投入の遅れで苦戦が目立ち、「今後の業績の重荷となるリスクも残る」(日経)とも伝えている。

その重荷といえば、マイカーなどで帰省や国内旅行を計画している人にとっては、ガソリン価格の高騰が足かせとなりかねない。経済産業省が発表した8月7日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、前週調査から3円60銭高い180円30銭。値上がりは12週連続で、2008年8月以来約15年ぶりの高値という。原油相場上昇や政府が価格抑制のための補助を段階的に縮小していることが響いているようだ。

また、重荷どころか、自動車保険の水増し不正請求などで存亡の危機に瀕する中古車販売大手のビッグモーターでは、夏季休暇どころではないだろう。リクルートが運営する中古車情報サイトの『カーセンサー』が、ビッグモーターが取り扱う車の掲載を停止。同様に『グーネット』でも、ビッグモーターの車の掲載が消えたという。

検索サイトは、掲載を依頼する販売店から手数料を得て、中古車の価格や車種といった情報を掲載しているが、生命線のネットなどでの露出が減少すれば、ビッグモーターの経営は一気に窮地に追い込まれることになりそうだ。

2023年8月10日付

●ガソリン180円超、15年ぶり高値、値上がり続く見込み(読売・2面)

●ビッグモータ―車掲載停止、カーセンサー、グーネット(読売・9面)

●自動車整備業界憤り、ビッグモーター不正、修理透明性高める動き(読売・26面)

●近ツー過大請求社長辞任、コロナ業務第三者委「法令を軽視」(朝日・1面)

●中国、訪日団体旅行解禁へ、コロナで停止3年半、きょうにも(朝日・1面)

●自動車大手全7社増益、米は堅調「スマホ化」進む中国で苦戦(朝日・7面)

●大手企業の賞与90万円、経団連最終集計コロナ前水準(産経・10面)

●テスラ電池、中国依存4割、EV供給分断に懸念、推定取引先1万3000社分析(日経・3面)

●ソニーG「再成長へ種まき」(日経・3面)

●三菱自、タイでHV生産へ、海外初EV普及にらみ基盤固め(日経・3面)

ホンダ新型投入で米好調、4~6月、純利益2.4倍3630億円、株式分割、投資家増へ(日経・13面)

●トヨタや日産、工場停止、台風対応、きょう未明まで、九州(日経・13面)

●いすゞ、純利益25%増、4~6月国内や北米で販売増(日経・15面)

●ブリヂストン、56%増益、1~6月最終、高単価タイヤ伸び、円安も寄与(日経・17面)

《福田俊之》

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