少数派のBRZの戦い、GR 86が多数を占める中で…GR86/BRZ Cup

Team Takuty 井口卓人・久保凛太郎
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トヨタ『GR 86』とスバル『BRZ』でレースを行うTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup。第4戦鈴鹿大会が行われ、GR 86が多数を占めるなか、2台のBRZでプロクラスに挑むTeam Takutyを追った。

2022年の今シーズンより新型GR86とBRZにモデルチェンジを行い、プロフェッショナルクラスはアフターパーツの一部使用可能となったことにより、さらなら激戦が繰り広げられている。

圧倒的にGR86を使うチームが多い中、BRZを使うチームは少数派だ。クラブマンクラスでは埼玉スバルファルコンレーシングチームや東海地区スバルグループ自動車部のディーラーチーム、プロドライバーの佐々木孝太選手が率いるKOTA RACINGと個人で参戦している五賀選手が主な参戦チームだ。

今回の鈴鹿大会においては埼玉スバルと五賀選手が出場していないこともあり、東海地区スバルグループとKOTA RACINGだけの参戦となり、クラブマンクラスでのBRZは全41台中3台の参戦となる。

プロフェッショナルクラスではRECARO RACING TEAMが4台のBRZを走らせ、前戦の第3回大会の十勝スピードウェイでは、988号車井口卓人選手が3位表彰台、906号車佐々木孝太選手が4位、909号車小暮卓史選手が11位、987号車久保凛太郎選手が15位と成績を残すなど、順調にレースを繰り広げていた。

しかしレース後にレギュレーション違反の裁定がくだり、そのレースの失格と当該チームのポイント剥奪。そして残り2戦の出場停止が決定した。今シーズンは全6戦で行われ、第3戦が終わっての残り2戦というのは今回の鈴鹿大会と、11月に岡山国際サーキットで行われる1大会2レースの第5戦と6戦が出場できなくなる。

そこでGR86/BRZ Cupはもちろん、スーパーGT、スーパー耐久でもスバルBRZでレースに参戦している井口選手は、自身のチームを立ち上げてワンメイクレースに参戦することにした。

「今まで戦ってきた仲間と最後までレースを戦えない悔しさと、長年スバルでお世話になっているので、恩返しをしたいという気持ち、なによりワンメイクに出ているプロフェッショナルクラスのBRZが居なくならないようにしたいという想いで、いろんな方に協力してもらい今回の鈴鹿と次回の岡山に自チームを立ち上げて参戦することにしました」と参戦経緯を語った。

今大会のプロフェッショナルクラスでは35台がエントリーをしているなかで、BRZを使っているのはTeam Takutyの2台のみだ。予選では987号車久保選手が15位、井口選手が19位となり中段から上位を狙うレースとなった。8周の決勝レースを終えて井口選手が13位、久保選手が22位となった。

決勝レースが終わり井口選手は「今回から自分達が使っているブリヂストンのタイヤがRE-09Dという新しいタイヤになりました。予選ではなかなか使いこなせなかったのですが、決勝ではだいぶ使えるようになりました。結果としてはもっと上の順位が欲しいがまずは完走できたし良いデータも取れたと思う」と振り返る。

また自身のチームを立ち上げて挑んだことに関しては「自分のチームを立ち上げてバタバタしていたなかで良くレースができたと思います。今までいろんな方に協力してやってもらっていた事務的な仕事も全部自分でしなくてはいけなく、そういった意味でも大変でした。レース中でも前を走る久保選手がコースを外れたときにはヒヤヒヤして、チーム代表として『マシンを壊さないで』と思えるなど、意外と冷静に周りを見ることもできました。そういったことも含めていろいろ経験できたレースでした」と語る。

「自分達が参戦しないと、GR86/BRZというワンメイクレースなのに、BRZのプロクラスがいなくなってしまうのは非常に悔しい。その火を消さないために頑張っていきたいし、同じチームで戦ってきた佐々木選手が自チームを率いてレースに参戦しているのも参考になります。来年はまだわかりませんがとりあえず岡山の2レースに向けて準備をしていきたいと思いますし、将来的にもっとBRZを使うチームが増えるようなことをしていきたい」とチーム運営の難しさとともに将来の展望についても語った。

先輩でもある佐々木孝太選手は「見本になるかは分からないですけど、長年一緒にやってきたので協力できることはしていきたい。自分でチームを持つということもなかなか経験できないので、ここで経験して次に繋げていってもらいたい。井口も凛太郎もきっと応援してくれる人も現れて来ると思うからがんばってやって欲しい。そして少数派のBRZを一緒に盛り上げて行ければ良いと思う」とアドバイスを送る。

BRZを使うチームが少ないことで車両のデータを集めるのにも苦労しており、トラブルが起きた際の対処方法に苦戦している部分があるが、残りのレース、来年に向けて戦いを挑んでいく。

《雪岡直樹》

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