6月29日から7月1日まで、東京ビッグサイトで開催されている地域防災EXPO。株式会社モリタのブースでは、IoTに対応したトイレカーが展示されている。
このトイレカーはスズキ『キャリイ』をベースに、男性用、女性用と個室を分け大便器と手洗い場を設置したモデル。便器や手洗い場などは、被災地に設置されているような樹脂製の簡易的なものではなく、一般の家庭に設置されるモデルと変わらない陶器製のもの。また今回展示されているモデルは、IoTを活用し、汚物のたまり具合、給水タンク内の水の容量などがクラウドを通して、遠方からでも状況が把握できるようになっている。
従来の仮設トイレでは、汚物あふれや給水タンクの渇水など、管理者が目視でつねにチェックをしておかないと問題が発生しやすいといった状況があったが、すべてセンサーによってデジタルで管理されているため、問題発生を極力避けることができるのが特徴。
設置されていたモデルは通常の陶器製の便器だったが、温水洗浄便座を設置することも可能とのこと。担当者にお話をうかがったところ、このトイレカーは8ナンバーの糞尿車登録ができ、糞尿を溜めた状態でも移動できるので、排出作業や給水作業がしやすく、さらに、設置場所についても簡易型のトイレとは違い、少しだけ移動させるといった融通も効くので、災害現場などではとくに活躍できるとのこと。
汚物の状況、給水タイミングなどは、IoT対応になったことで、メールで自動的に送信するといったこともできるため、管理者はわざわざトイレに確認に行く必要がなくなり、手間を減らすことができる。またトイレの扉にもセンサーが装備されているため、使用状況を知らせる電光掲示板の設置なども可能。
トイレカーが重宝される実際の被災地などでは、仮設トイレは汚いというイメージがあると、利用頻度を減らすため水分を十分に取らなかったり、食事をしっかり取らないといった行動により、体調を崩しやすくなるため、清潔で使いやすいトイレは重要なことだと語ってくれた。トイレカーは、3室設置が可能な中型トイレカーや、車イスの方でも利用できるユニバーサル仕様、5室の大人数対応モデルである大型トイレカーなどもラインナップされている。
オプションで空き室状況などがわかる電光掲示板も用意されている。