いくつもの戦いに挑む水素カローラ…スーパー耐久 第2戦 富士24時間

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スーパー耐久第2戦NAPAC富士SUPER TEC 24時間レースが、4~5日に富士スピードウェイで開催される。今大会も参戦している「水素カローラ」、この車にはいくつもの戦いが待っていることが判明。その結果がどうなるのか注目だ。

昨年の富士24時間レースでデビューを果たしたORC ROOKIE GR Corolla H2 concept、いわゆる水素カローラ。その後のレースでは着実にマシンとしての純粋な速さも上がっていて、さらに水素を充填する速さも上がっている。

2年目となる今年も開幕戦鈴鹿で完走を果たし、着実にレベルアップをしており、自身2回目となる富士24時間に挑む。

昨年はトラブルにより4時間近くのストップなどがありねいろいろと苦労していた模様。しかし今シーズンは熟成を進め、開幕戦でも大きなトラブルなどはなかった。今年の24時間レースでは、完走はもちろんのこと、富士スピードウェイのラップタイムが向上し、5秒前後速くなっており、もっと勝敗に絡んで戦えそうな感じだ。

水素カローラを走らせるルーキーレーシングのガレージが、富士スピードウェイの西ゲートの横に建てられているのは、サーキットに来たファンなら見ているだろう。3日の予選後にそのガレージでメディア向けの会見が行われ、豊田章男社長とGAZOO Racingカンパニーの佐藤恒治プレジデントが並んで登壇した。

佐藤プレジデントは、「水素カローラを富士登山になぞえるならば、4合目付近にいるのでは」と現在の状況を語った。レーシングカーとして熟成度や水素の充填、市販車へのフィードバックなどさまざまな状況がまだまだ進化の途中だという。

その戦いのひとつには、レーシングカーとしてのタイムアップや水素充填の速さ、レーシングカーとしてのセットアップや熟成度など、水素カローラ自体の進化に挑んでいくことがあげられる。

次に、現在の水素は気体水素を使用していて、さまざまな企業が参画して「作る・運ぶ・使う」に挑戦しているが、その次を見据えて液体水素を使った挑戦もしているという。気体と液体でどちらが優れているとは単純に言えないが、液体水素を使った場合には充填ステーションもコンパクトにできるほか、液体水素を気化させてエンジンに噴射させることで、気体水素よりも航続距離が伸びる可能性がある。液体水素のコンセプトモデルの展示と説明も充填ステーションで行われた。

最後の戦いはドライバー。今回の富士24時間では、現在トヨタGAZOOレーシングワールドラリーチーム代表を務める、ヤリ-マティ・ラトバラ選手が乗り込み、豊田章男社長ことモリゾウ選手との戦いとなる。

ラトバラ選手は歴戦のマシンなどを個人的なミュージアムに所蔵しており、そこに現在ラリーで活躍している「GRヤリス」を入れたい、と豊田章男社長兼チームオーナーに言ったところ、「私に勝てばミュージアムに入れても良い」と豊田章男社長が言ったそうで、第1戦を日本で、第2戦をフィンランドで戦う予定だという。

そのタイミングでちょうど富士24時間があったこと、ラトバラ選手が水素カローラに興味を持ったこと、さらに世界的なカーボンニュートラルにも関心をしめしていることもあって、富士が2人の間の第1戦となったという。

現状ではマシンに慣れているモリゾウ選手の方がラップタイムが速いそうだが、ラトバラ選手も徐々に慣れてきて、不利な右ハンドルで左手でのシフトチェンジに、苦労はしているそうだがかなり良いタイムを出せるようになっているとのこと。最終的にどのような勝負になるのか楽しみな戦いでもある。


《雪岡直樹》

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