EVがソフト更新で航続20km延長…アウディ『e-tron』

航続は最大20km延びて441~453kmに

アップデートによって冷却性能も改善

「55クワトロ」はツインモーターで408hp

アウディ e-tron
  • アウディ e-tron
  • アウディ e-tron
  • アウディ e-tron
  • アウディ e-tron
  • アウディ e-tron
  • アウディ e-tron
  • アウディ e-tron
  • アウディ e-tron

アウディ(Audi)は10月28日、EVの『e-tron』と『e-tronスポーツバック』の2019~2020年モデルを対象に、欧州でソフトウェアのアップデートを行うと発表した。

アウディブランドの初の市販EVが、電動SUVのe-tronだ。そのSUVクーペ版が、e-tronスポーツバックとなる。

航続は最大20km延びて441~453kmに

今回のソフトウェアアップデートは、「55クワトロ」グレードが対象だ。55クワトロには、蓄電容量95kWhのバッテリーを搭載している。このバッテリーの正味使用可能容量が86kWhに増え、その結果、航続の拡大を可能にしている。

新しいソフトウェアアップデートにより、航続は最大20km延長され、最大で441(e-tron)~453(e-tronスポーツバック)km(いずれもWLTPサイクル)に到達する。これは、アウディが効率の向上を最新モデルに限定するのではなく、既納客のEVの効率も高めることを意味するという。このアップデートは、アウディサービスセンターにおいて、車両にインストールされる。

新しいソフトウェアは、バッテリー容量に加えて、フロントの電気モーターの制御も改良した。通常の走行モードでは、リアアクスルにレイアウトされたモーターによって駆動する。この時、効率を高めるために、フロントの電気モーターはほぼ完全に駆動系から切り離され、オフになる。さらにパワーが必要な場合にのみ、リアモーターに加えて、フロントのモーターが作動する。アウディ e-tron スポーツバックアウディ e-tron スポーツバック

アップデートによって冷却性能も改善

さらに、アップデートによって冷却性能も改善される。 4つの個別の回路で構成される熱管理システムは、高電圧コンポーネントをさらに効率的に冷却する。制御システムを変更することで、クーラント回路の体積流量を減らすことが可能になり、エネルギー消費量を削減した。改良された冷却システムは高負荷走行時において、急速DC充電や長いバッテリー寿命などの基盤になるという。

急速充電の面では、約110kmの航続分に必要なバッテリー容量を、およそ10分で充電できるようにした。また、バッテリー容量の8割を充電するのに必要な時間は、約30分とした。

e-tron充電サービスの顧客は、欧州26か国の27万5000拠点を超える充電ポイントが利用できるようになった。 「e-tronルートプランナー」は、最寄りの充電ステーションへのルートを表示する。システムは、必要に応じて充電をスケジュールし、ドライバーの目的地到着を支援する。システムは最速ルートを計算し、交通量やルートデータを考慮に入れて、ドライバーの運転スタイルに配慮しながら、車両の充電にかかる時間を計算して、目的地の到着予定時刻を算出する。アウディ e-tron スポーツバックアウディ e-tron スポーツバック

「55クワトロ」はツインモーターで408hp

55クワトログレードでは、モーターは前後に2個搭載され、最大出力360hp、最大トルク57.2kgmを発生する。0~100km/h加速は6.6秒だ。最高速はリミッターにより、200km/hに抑えられる。

ブーストモードを採用した。シフトレバーをDモードからSモードに移動し、アクセルペダルを床まで踏み込むと、ブーストモードが起動する。この時、最大出力は408hp、最大トルクは67.7kgmに向上する。この効果で、0~100km/h加速は5.7秒の性能を実現する。

駆動方式は、電動4WDの「クワトロ」だ。この電動4輪駆動システムは、あらゆる路面と天候状況で優れたトラクションとハンドリングを追求する。システムは、前後アクスル間の理想的な駆動トルクの配分を、連続的かつ瞬時に調整する。通常は稼働していないフロントモーターは、滑りやすい路面や高速コーティング中にスリップが発生する前、または車両がアンダーステアやオーバーステアの状態になる前に、予測的に作動する、としている。アウディ e-tronアウディ e-tron

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集