ホンダは10月4日、四輪車の新車オンラインストア「Honda ON(ホンダオン)」を開設し、同日からまず東京都内での取り扱いを始めたと発表した。国内自動車メーカーでは初の導入としており、新車の検討から契約までのプロセスが、すべてオンラインでできる。
ホンダは今年4月にオンライン販売の企画立案や運営を担う子会社「ホンダセールスオペレーションジャパン」(埼玉県和光市)を設立し、準備を進めてきた。まずは税金や整備費用なども含む月極めの定額販売であるサブスクリプションによる4モデルの扱いで立ち上げた。
対象としたのは『N-BOX』、『フィット』、『フリード』、『ヴェゼル』の売れ筋4モデルで、税込みの月額利用料(5年契約)はN-BOXが3万1060円から、ヴェゼルが4万8460円からなどとなっている。いつのタイミングでも解約ができ、乗換えや買い取りなども可能だ。販売店(ホンダカーズ)は立地や客観的な評判などによって顧客が決められるようにしており、納車の際はアフターサービスも担当するその店に出向いてもらう。
主なターゲットは、販売店への来店経験がない人も多い90年代半ばから00年代前半に生まれた「Z世代」と呼ばれる人々としている。このため、検討や商談など諸々の手続きがスマホでできるよう、使い勝手の良いアプリを開発したという。ホンダオンにはコンタクトセンターを設け、常時チャットでの相談もできるようにした。また、車庫証明など必要書類のやり取りでは郵送も使う。
4日にオンラインで開いた取材会で、このシステム開発を担当するホンダセールスオペレーションジャパンの井上喜章オンライン販売課主任は、今後の展開について「販売方法は、サブスクリプション以外にも拡大する。扱い地域も来年以降、順次全国に広めていく」と説明した。
また、同社の関勝之社長は、「買い方の選択肢を広げることにチャレンジしていく。安心のホンダカーズ販売店とタッグを組みながらホンダグループ一丸となって、お客様との新たな出会いをつくっていきたい」と抱負を述べた。