【ホンダ フィット モデューロX プロトタイプ 試乗】独自のエアロバンパーで走りの質感が変わる…片岡英明

ノーマルのフィットとモデューロX プロトタイプを比較

注目はエアロバンパーの3つのフィン

走りの質感が大幅に向上

ノーマルのフィットとモデューロX プロトタイプを比較

2019年11月に送り出された『ヴェゼル』のモデューロXに続く第7弾として企画されたのが『フィット』のモデューロXである。ハイブリッド車のe:HEVをベースに開発されたコンセプトカーは20年1月の東京オートサロン2020に参考出品され、ファンの視線をクギ付けにした。

エクステリアはフロントグリルが変えられ、フロントエアロバンパーやサイドロアスカート、テールゲートスポイラー、専用の16インチアルミホイールなどを装備する。インテリアはシートやステアリングなどが変更されていた。

ピットレーンに用意されていたのは、市販に向けて製作された『フィット モデューロX』のプロトタイプだ。この試乗イベントでは、比較用にe:HEVのノーマル車も用意している。タイヤはどちらも横浜ゴム製のエコタイヤ、ブルーアースA(185/55R16)を履いていた。フリードのモデューロXと同じように駆動方式はFFだ。ノーマル車は素直なハンドリングで、扱いやすい。だが、ペースアップするとコーナーでロールするし、ピッチングも気になるなど、姿勢変化が大きかった。

ホンダ フィット モデューロX プロトタイプ(左)とホンダ フィット(右)ホンダ フィット モデューロX プロトタイプ(左)とホンダ フィット(右)写真をすべて見る

注目はエアロバンパーの3つのフィン

モデューロXのプロトタイプには効果が大きい空力デバイスが装着されている(ホンダアクセス曰く「実効空力デバイス」)。特に力を入れて開発したのがフロントのエアロバンパーだ。注目ポイントは、3つのフィンである。エアロフィンはホイールハウスからの気流の乱れを抑制し、綺麗な旋回姿勢をつくれるように形状や位置にこだわった。車体下に速い空気の流れをつくって、風のレールの上を走っているような安定感を生むのが底面のエアロスロープだ。ホイールハウス内を通る風の流れをスムーズにして、サスペンションの動きをよくするパーツがエアロボトムフィンである。

実際にテストコースやサーキットを走り込み、エアロパーツは形状を決めた。フリードのモデューロXでも分かるように、このフィットのモデューロXも風をきれいに後方に流すことにより、リフトバランスを最適化し、直進安定性、挙動安定性、コーナリング性能を高めている。新しいフィットはプラットフォームの剛性が高く、足の動きもいいが、さすがにサーキットでは精彩を欠く場面が出てきた。モデューロXのプロトタイプは、オン・ザ・レールの気持ちいい走りを見せる。

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走りの質感が大幅に向上

大小の連続するコーナーではロール感が絶妙で、荷重移動と姿勢変化がスムーズだ。ノーマル車では苦しくなる場面でも意のままにコントロールできる。路面の傾斜が変わり、接地感が薄れるところでも踏ん張りが利き、狙ったラインに乗せることができた。安心して攻め込める領域は大きく広がり、同じスピードで走るなら余裕が大きい。また、コーナーから立ち上がり、アクセルを踏み込んでいくストレート路ではどっしりとした落ち着きと直進性のよさを感じた。100km/hを超えるスピード域では、ボディ関係の抵抗が少ないような印象だ。

ボディがしっかりしたように思われ、コーナリングでは吸い付くようなスタビリティの高さとトラクションのよさを披露した。コントロール性も向上し、ブレーキング時のノーズの沈み込みも上手に抑え込んでいる。走りの質感が大幅に高められているのだ。

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インテリアもステアリングやシートをブラックとレッドのコンビネーションにし、おしゃれである。インテリアがグッとスポーティな仕立てになっているのも魅力だ。ポテンシャルはかなり高く、操って楽しい。現行型のフィットはスポーティグレードの設定がないので、最新のモデューロXには期待が膨らむ。デザインのまとまりはいいし、インテリアも上質ムードなので、正式発表が楽しみだ。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》
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