アウトモビリ・ピニンファリーナ(Automobili-Pininfarina)は12月2日、現在開発中のEVハイパーカーの『バッティスタ』が、イタリア・ナルドのテクニカルセンターにおいて、最初の高速走行ハンドリングテストを終了した、と発表した。 アウトモビリ・ピニンファリーナは、イタリアのデザイン工房、ピニンファリーナの親会社であるインドの大手自動車メーカーのマヒンドラ&マヒンドラ(マヒンドラ)が立ち上げた新ブランドだ。その最初の市販車が、EVハイパーカーのバッティスタだ。バッティスタとは、ピニンファリーナの創設者のバッティスタ・ファリーナ(Battista Farina)氏に敬意を表すネーミングとなる。 ◆0~100km/h加速2秒以内で最高速350km/h EVパワートレインは、4個のモーターを搭載し、合計で最大出力1900hp、最大トルク234.5kgmを引き出す。パワフルなモーターが4輪を駆動し、トルクベクタリング機能も採用した。0~100km/h加速2秒以内、0~300km/h加速12秒以内、最高速350km/hの性能を発揮する。 また、5種類の走行モードが切り替えられる。5 つの走行モードは、「Calma」、「Pura」、「Energica」、「Furiosa」、「Carattere」だ。リチウムイオンバッテリーはセンタートンネルとシート後方に、T字型にレイアウトされ、蓄電容量は120kWh。1回の充電での航続は、およそ450kmの性能を備える。バッテリーは急速充電に対応している。 ブレーキは、カーボンセラミックを使用する。ローター径はフロント、リアともに390mmだ。キャリパーは、フロントが6ピストンとした。リアには、エアブレーキ機能が備わる。 ◆ステアリングホイールの両側に大型ディスプレイモニター ボディ構造は、フルカーボンファイバー製のモノコックに、カーボンファイバー製ボディパネルを組み合わせる手法で軽量化した。車体の前後はアルミによる構造として、衝突時の衝撃を吸収する。 インテリアデザインは、エレガントさを追求しながら、ドライバーが運転に集中できるインターフェースを取り入れた。ドライバー正面には、小型ディスプレイモニターがレイアウトされ、重要な情報を表示する。 コンパクトなステアリングホイールの両側には、ドライバーに向けた大型ディスプレイモニターを設置したデジタルコックピットを採用する。左側の画面で車両のダイナミクスとパフォーマンスをコントロールし、右側の画面でメディアとナビゲーションを操作する。ピニンファリーナによると、最小限のボタンとスイッチで、ドライバーが車と対話する方法を直感的に作り出しているという。 ◆公道やテストコースで9種類の走行試験に取り組む このバッティスタが、イタリア・ナルドのテクニカルセンターにおいて、最初の高速走行ハンドリングテストを終了した。テストの成功は、史上最もパワフルなイタリアンスポーツカーの開発プログラムにおいて、新しい章が始まったことを意味するという。 新しい章では、完全電動のバッティスタに対して、公道やテストコースで9種類の走行試験と検証が行われ、シャシーのセッティング、トルクベクタリングシステムやサウンドシステムの微調整、検証、認可が行われる。 テストドライバー兼車両ダイナミクスマネージャーの Georgios Syropoulos 氏が、12.6kmにわたるナルドのテストコースの円形バンクを回るスプリントや、曲がりくねった6.2kmのハンドリングトラックの周回など、一連の動的テストを終えた。 バッティスタは、レースから着想を得たブレンボ製の「CCMR」カーボンセラミックブレーキ技術を採用した最初のEVハイパーカーだ。開発では、最適な性能とドライバーの信頼を得るために、同車の技術と高速エアロブレーキエネルギー回収システムとの一体化に焦点が当てられている。 4つのモーターのトルクベクタリングは、ハイパーカーの特性に合うように独自に調整され、あらゆる条件において高いトラクションと信頼性の高い走行を追求する。エネルギーニュートラルなトルクベクタリングは、電気エネルギーをシームレスに回収・変換するように最適化され、航続と効率性を向上させている。 シャシーのセッティングでは、およそ1000時間にわたる仮想動的テストを経て、ダブルウィッシュボーン式サスペンション、鍛造アルミホイール、トーションバー、エラストキネマティクスが評価された。微調整を受けた後、バッティスタのカーボンファイバー製モノコック構造を最大限に活用し、走行性能をさらに磨き上げていく。 走行モードの検証では、トルクベクタリングにより、従来の内燃エンジン車に比べ、各走行モードにより明確な特長を作り出すことができる。5つの走行モードに対するソフトウェアの最終的なチューニングと検証が、公道とテストコースで行われる。 タイヤの検証では、20インチの鍛造アルミホイール「Prezioso」と 、ばね下質量を 8.9g軽減するフロント20インチ、リア21インチの鍛造アルミホイール「Impulso」をテストした。高性能タイヤは、ミシュラン「パイロットスポーツCup 2R」、またはピレリ「P Zero」。動的テストでは、エンジニアが、シャシーのセッティングを最適化する。 高速走行時のエアロダイナミクスは、シミュレーションと風洞試験に続いて、サーキットテストで外装デザインとアクティブエアロダイナミクスを微調整する。サウンド体験は、あらゆる走行環境において、EVハイパーカーのDNAに合うように、車内と車外のサウンドスケープをチューニングする、としている。
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