BMWグループは2月5日、「BMWエアロダイナミックホイール」を開発し、新型EVの『iX3』に採用すると発表した。
航続440km以上の性能を支える空力ホイール
iX3は、BMWブランド初のEVのスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)になる。EVパワートレインには、BMWグループにとって、第5世代のBMW「eDrive」テクノロジーが搭載される。
BMW iX3の第5世代BMW eDriveテクノロジーは、電気モーター、エレクトロニクス、トランスミッションを一体設計し、ドライブユニットに集約した。その結果、設置スペースと重量を大幅に削減する。モーター出力と駆動システムの重量の比率は、第4世代に比べて、およそ30%向上しているという。
BMW iX3に搭載される電気モーターは、最大出力286hp、最大トルク40.8kgmを引き出す。電気モーターは、後輪に動力を伝達し、力強い加速を可能にしているという。バッテリーの蓄電容量は74kWhだ。1回の充電での航続は、WLTPテストサイクルで440 km以上を実現する。駆動コンポーネントの高い効率と高電圧バッテリーユニットの高エネルギー密度のおかげで、BMW iX3は、より大型で重量のあるバッテリーを搭載したEVと同等の航続を可能にしているという。
アルミホイールに別設計されたインサートを組み合わせる
このiX3に採用されるのが、BMWエアロダイナミックホイールだ。BMWグループによると、現代の自動車では、車輪と空力の流れが車両全体の効率に最大30%影響するという。BMWエアロダイナミックホイールは、アルミホイールと別設計されたインサートを組み合わせることにより、エアロダイナミクス性能を引き上げる。
新開発のエアロダイナミックホイールは、現行のBMW 『X3』のホイールと比較して、抵抗を約5%減らしながら、軽量となる。ホイールアーチ周辺の空気の流れを最適化。ホイールは15%軽量に仕上げられるという。
エアロダイナミックホイールは、空力と重量の面において、欧州WLTPテストサイクルで、iX3の電費性能をさらに2%向上させる効果を発揮し、1回の充電での航続を10km延ばすことを可能にする。ホイールのデザインはさまざまな方法で変えることができる。BMWコンセプト iX3(参考画像)
iX3に続いてiNextとi4にも採用予定
BMW iX3のエアロダイナミックホイールは、軽量構造と空気抵抗の低減を、Vスポークデザインに融合させた。新しいホイールは、軽量インサートによってバネ下質量が軽減される。これにより、駆動力と電費性能の両方が向上する。
ホイールのインサートは精密成形されており、ホイールのスポーク間に組み込まれる。これにより、ホイールアーチの乱気流を低減する効果を発揮する。インサートは、プラスチックとアルミ製とした。BMWグループによると、重量を最小限に抑えながら、空力特性を最適化するために、特許取得済みのプロセスを導入しているという。
エアロダイナミックホイールは、さまざまな色で塗装できる。マット仕上げやポリッシュ仕上げを選択することも可能だ。すべてのホイールに、光沢やパターンに応じてデザインが変えられるインサートを取り付けることができる。たとえば、ボディの色をアクセントとして、インサートに組み込むことが可能という。
なお、エアロダイナミックホイールは、iX3に続いて、2021年に導入されるBMW『iNext』と『i4』にも採用される予定だ。