皆が集い笑顔になれるダイハツブース…東京オートサロン2020[インタビュー]

ダイハツ TAFTコンセプト
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東京オートサロン2020ダイハツブースのテーマは、これまでの各ショーと同様、“遊び心をみんなのものに”である。そこをベースに今回は、クルマを使って人が集ったり寄り添ったりして笑顔になることを目指し、コンセプトカーを作り上げたという。

楽しさと笑顔を目指して

これまでダイハツブースのコンセプトカー群の多くは、後から手を入れることが出来る、“カスタマイズ”を楽しめることを主軸に考えられていた。

しかし今回はそこから一歩踏み出し、「そのクルマたちを使っていろいろな人たちが楽しんでもらえることを目指した」と話すのはダイハツデザイン部第1デザイン室先行開発スタジオエグゼクティブリエゾンデザイナーの米山知良氏だ。

『ハイゼット』など商用車も、ボルダリングやDJバージョンなど、「皆が集い、楽しめるようなクルマ作りをしている」とコメントした。ダイハツ TAFTコンセプトダイハツ TAFTコンセプト

使い倒せる相棒…TAFTコンセプト

2020年央に正式発売が予定されているのが『TAFTコンセプト』だ。ダイハツデザイン部第1デザイン室課長の芝垣登志男氏はそのコンセプトを、「使い倒せる頼れる相棒」だという。デザイン的には、「都会的でタフでシャープ。しかも大胆といったところを見てほしい」と話す。

具体的な特徴は、「スクエアなボディ。そして一番目につくバンパーは、両サイドから挟み込んだようなモチーフとし、タイヤを強調。その結果走破性が良さそうな印象を与えている」と説明。

実はこのアイディアは芝垣氏の先輩デザイナーのものだという。「今から30年くらい前、その先輩デザイナーが入社当時からやりたかったもの。それを今回形に出来たことが喜びだといっていた」とのこと。ダイハツ TAFTコンセプトダイハツ TAFTコンセプト

インテリアで特徴的なのはガラスルーフだ。「実際には開閉しないが開放感がある。このぐらいの全高(1630mm)では閉塞感を覚えるかもしれないが、(ガラスルーフのおかげで)全く感じない」と述べる。また前席と後席を区別した室内の考え方を持たせており、「前席は運転に集中させ、後席は使い倒せる荷室のようになっている。当然、荷室はフラットに出来る」とした。

芝垣氏は、「このクルマはクロカンし過ぎてもキャラは違う。あくまでも都会に住む多くのアウトドア志向の方たちが、ちょっと外に出てみたくなるような楽しいツールになればいい。少しだけ無骨なほうが格好良いと思っている」とコメント。そして発売時には、「(用品などを含め)バリエーション展開をしっかり出来るように考えていきたい」とした。ダイハツ TAFTコンセプトダイハツ TAFTコンセプト

ダイハツらしさにこだわったネーミング

“TAFT”というネーミングは1970年代登場した小型クロカン四駆のダイハツ『タフト』を想起させる。しかし今回はコンセプト、“Tough & Almighty Fun Tool”の頭文字からネーミングされたと説明があった。

その点について芝垣氏は、「元々タフトを意識して開発したわけではない」としながらも、「デザイナーが絵を描いている中で、イメージしていなかったかというとそうでもないだろう」とも。「時代に合わせた新しいものを提供したいという思いとともに、ダイハツらしさというものも必要だ。そこが上手く名前に現れたのではないだろうか」と説明。

また、「トヨタと一緒に仕事をするようになってからなおのこと、ダイハツらしさを強調しようという風潮がある。実際にダイハツらしさを押し出したショーがここ数年非常に多くなった」とし、芝垣氏自身も、「オートサロンを何回か経験し、ダイハツらしさ、特にユーザーフレンドリーなところを強調している」と語った。ダイハツ タントカスタムPremium Ver.ダイハツ タントカスタムPremium Ver.

タントカスタムの記号性を強調…タントカスタムPremium Ver.

大きくフロント周りの印象を変えた『タントカスタムPremium Ver.』について米山氏は、「タントカスタムの記号性をより強調したクルマで、ショーにおいて提案している3つの世界観(「SPORT」「PREMIUM」「ACTIVE」)のPREMIUMを担っている」と説明。これまでは市販可能なパーツ類を上手く使って仕上げていたが、このクルマに関しては、「もう少しイメージを中心のショーカー的な扱いだ」と述べた。ダイハツ タントCROSSFIELD Ver.ダイハツ タントCROSSFIELD Ver.

ファミリーでアウトドアを楽しむ…タントCROSSFIELD Ver.

「4年前に『ウェイク』のアウトドア仕様を作ったが、そのタントバージョンで、車高などは特に上げていない」と米山氏。変更点は前後バンパーとグリル、サイドパネルを新規で作成。リアガーニッシュは純正用品を加工し赤く光るようにした。

カラーリングはベージュとオレンジのツートンで、内装はその差し色を入れ、シートにデジタルカモフラージュのシートカバーを用い、「遊び心が感じられるようにした」という。その結果、「ファミリーでワクワク出来るようなクルマを目指している」と話す。

フロント周りのコンセプトは、「『ロッキー』やTAFTコンセプトは、アウトドアチックな方向性を表現しており、そこと共通性を持たせた。用途によってカップルや若者であればTAFTコンセプト、ファミリーであればタントCROSSFIELD Ver.というイメージでデザインしている」と述べ。「現在市販は考えていないが今回の反響次第で考えていきたい」とした。ダイハツ ハイゼットトラックDJ Ver.ダイハツ ハイゼットトラックDJ Ver.

自ら運転してパフォーマンス…ハイゼットトラックDJ Ver.

「1980年代から90年代にかけてバニングやスポコン(スポーツコンパクト)、デコトラなどが流行ったが、もう一度その頃のクルマの楽しさを思い出し、また伝えたい。そしてこれを見てクスッと笑ってもらえたら、そういう笑顔にするクルマを目指して作った」と米山氏。

フロントグリルはスピーカーをモチーフにしてデザイン。サイドは「ウーハーとその上にミッドレンジが入っている。荷台ではDJがパフォーマンス出来るようにした。DJが自ら運転してフェスやイベント会場に行きパフォーマンスするというのがコンセプト」という。キャッチフレーズは、「街を彩るサイバートラック」とのことだ。ウーハー部分は固定だが、上のミッドレンジなどが入るボックスは荷台に仕舞えるとともに、モニターが内側に倒れ、「普通のトラックとして乗って行くことが出来る」と話す。ダイハツ ハイゼットトラックDJ Ver.ダイハツ ハイゼットトラックDJ Ver.

インテリアも80年代チックに仕上げられており、マイクを模ったシフトノブは実際に作動する。また「ドリンクホルダーはマイクホルダーに。ルーフにはミラーボールがついている。シートはクロコダイル調だ」と説明。

Bピラー部は、「実際に音楽を鳴らすとグライコになりきちんと光る。80年代の憧れのオーディオなどをイメージし、その色味も当時のグライコを表現した」。スピーカーもFOCALで組んでいるなど本格的な仕上がりだ。ダイハツ ハイゼットトラックPEAKS Ver.ダイハツ ハイゼットトラックPEAKS Ver.

実際にボルダリング出来る…ハイゼットトラックPEAKS Ver.

雑誌PEAKSとコラボしたクルマで、「軽トラのカスタムの中ではオーバーランダーが流行っている。そこで、親子でボルダリングや山に行くというというコンセプト」と米山氏。東京モーターショー2007に『MUD MASTER-C』というコンセプトカーがあった。マウンテンバイクサポートモデルでそのクルマをリスペクト。そのイメージを「現行ハイゼットトラックでアレンジしたらより格好良くなるのでは」とトライした。

「左側は強化樹脂でボルダリング出来るようになっており、日本フリークライミング協会の方に監修してもらったので偽物ではない」。また、荷室は「本格的な道具を実際に積み、車中泊も出来るなどの仕掛けをしている」とのことであった。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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