【ニュル24時間】「予選3位の原因はわかっているので、決勝に向け改善する」…STI 辰巳テクニカルアドバイザー

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ニュルブルクリンク24時間レース2017 STIチーム
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  • STI 辰巳英治テクニカルアドバイザー
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  • SUBARU WRX STI(ニュル24時間2017)
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ニュルブルクリンク24時間レースの予選でクラス3位となったSTIチーム。初参戦時から監督、昨年は総監督を歴任した辰巳英治テクニカルアドバイザーに現時点での状況とレースにかける思いを聞いた。

----:今年はテクニカルアドバイザーを務めていらっしゃいますが、心境や立場の違いはあるのでしょうか。

辰巳監督(以下敬称略):肩書で仕事をしてるわけではないので、自分自身の中であまり差はない。スバル、STIが本格的にレース活動を始めたきっかけをつくってきたというのがあって、やはり自分でやらなくてはいけないという気持ちは持っている。組織的な部分は今、菅谷(監督)が単独で見ているが、技術的な部分に関してはテクニカルアドバイザーという名前の通り、ある程度私がやらなければいけないというところで動いている。

総監督というのは、組織の管理というイメージがあるけど、私は元々技術一本でやってきたので、そういう器ではない(笑)。他のメーカーに負けるというのが技術屋として許せない。それは去年までもそうだし、今年も変わらない。結局、これまでやってきた経緯を自分が一番知っているというのもあって、ここにいる。ただ、今日みたいに予選が3位とかいう結果になるとその責任は自分にあるし、何とかそこを直さなければいけないと思っている。

----:現時点(予選終了)までを振り返って、状況をどのように見ていますか。

辰巳:やはり、STIはモータースポーツの全てにおいて専門家であるわけではないので、わからないこともあるしサプライヤーなど色々な人の力を借りたり、メカニックも外のプロの人を連れて来ている。10年前まではモータースポーツにおいては素人で、エンジンはそれなりにWRC等で関わってきたけど、シャシーについてはあまりやっていなかったのが実態。でも10年前からやはりそれもSTIの中でやろうという動きを作ってきた。

当然、急に自分たちだけではできないので、色々な人の力を借りてここまで来たが、今年になってもまだ自分たちの力不足で、予選も後から出てきたチームに負けているし、そこは誰の力を借りてもいいから復活しなくちゃいけないという思いがある。

今のところ予選3位だったということは、力が及んでないということなので、まだまだ努力しなくてはいけない。今までより車が速いです、だけではレースは成立しない。相手に勝つことが重要。でもそれができていない。うちのチームにはまだ足りない部分があるということだが、それが雲をつかむように全く分からないのではなくて、終わってみるとこういうところがいけなかったんだなと今色々気づいて修正をしている。

----:決勝レースへの課題はどのような部分なのでしょうか。

先月、ここでQFレースというのに出ていていたが、その時車の進化は確実にあった。ドライバーのカルロも「今年の車はいいね」と言っていた。でもそこに今回、なぜか達していない。フリーから予選の中で「ちょっと違うな」という感じがある。昨年から今年のQFレースまでに増長した部分は大きかったが、その伸びしろが下回っている今は下回ってしまった。もちろんタイムは縮まっている。でも車の状態が若干低下しているので、決勝に向けて懸命に調整しているところ。

今までのレースでもこういうことはたくさんあった。どんな仕事でもそうだと思うが、考えとか技術は色々進化しつつも、3歩進んで2.6歩下がったり、時には3.2歩下がったりするもの。今回は予想よりも下がった量が多かった。3連覇のプレッシャーはないけど、技術は相手に勝つのが重要だし今回はそこがよく見えてなかったと思いう。もっと肉薄すると思ったが、まだしていない。本当はQFレースより進化していないといけなかったが、結果として退化している。そこは謙虚に反省して、頑張るしかない。

----:マシンに対するドライバーの反応は共通でしょうか?

「もうちょっとだな」という部分では皆共通。誰か一人の感覚で言っているということではない。パワーがあって速いけど走りが不安定ということでは駄目。思った通りに走ってくれないとドライバーの力も発揮できない。そこに技術の追求がある。

「この乗り味はいいよね」という感覚はほぼ1つだと思っている。それがなかなか見つからないだけ。今回のドライバーも4人いて、国も違えば年齢も異なるけど、その部分に大きな差はない。世界中にいい走りっていうのは50個も100個もないだろう。タイムを競うレースになればもっと絞れられるし、そこに技術力が活きてくる。

速くいい走りのできる技術をもってすると、量産車も良くなる。我々がレース活動をするのはその意味合いも大きい。今だけを闘うのではなくて、実験、商品企画、設計、営業いろんな人が関わっていて、経験を持ち帰って自分たちの仕事にフィードバックする。販売店のメカニック派遣も、スバルファンの方に喜んでもらえるベースになる。何のためにやるか、と問われたらそれはファンに喜んでもらうため。それしかない。そしてファン以外の人にも刺さるとうれしい。

レース活動をしていても、急に「スバルすごいね」といって車を選んでくれるわけではないので、地道にやっていくことが大切。技術の蓄積、集大成がファンの車に返ってくる。そいういう目的意識は持ってないといけないと思う。
《吉田 瑶子》

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