なぜなら、このファン・デル・マークは、ホンダのライダーとして過去に鈴鹿8耐を連覇しており、勝ち方を知っているライダーだからだ。そしてこれまでのヤマハのライダー起用の流れからMotoGPライダーの加入が自然な流れと言えるが、ここにバレンティーノ・ロッシやマーベリック・ビニャーレスの名前を挙げるよりも、Monster Yamaha Tech3の2人、ヨハン・ザルコとジョナス・フォルガーらを有力候補とする方が現実的だろう。今年、全日本のYAMAHA FACTORY RACING TEAMにもMonster Energyがチームサポートをすることから、スポンサー面でも問題はない。
鈴鹿8耐3連覇に向けて着々と地盤を固めつつあるYAMAHA FACTORY RACING TEAMだが、ホンダ関係者は「鈴鹿8耐での3連敗は絶対に許されない」と語っており、再びHY戦争激化の様相だ。そのホンダは、過去に鈴鹿8耐10連覇の偉業を成し遂げており、これまでの39回大会で2連敗したのはわずかに2回だけと圧倒的な強さを見せているのだが、昨年のホンダユーザーの最上位は8位と惨敗。しかも鈴鹿8耐での3連敗は過去に例がないだけに、ホンダにとって今年の“コカ・コーラ”鈴鹿8耐は正念場だ。
《佐久間光政》