メルセデスベンツ『S300h』は2.2リットルのディーゼルターボを搭載したハイブリッド車だ。ディーゼル車とハイブリッド車は環境性能車として対比される存在でもあるが、ディーゼルエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたなら最高のハイブリッド車ができる。それを実現したある意味で究極の環境性能車である。少し前まで、トヨタのハイブリッド車を冷ややかな目で見ていたダイムラーが、今やSクラスにガソリン、ディーゼル、プラグインと、様々なハイブリッド車をラインナップしている。時代は変わったと思わざるを得ない。環境性能を追求したら、クルマには電気の力が必要なのだ。S300hは走り出しは電気モーターだけでするすると走り出す。電池の残量やアクセルの踏み込みによっては最初からエンジンがかかることもあるが、基本はモーターで走り出し、走行条件によって必要に応じてエンジンが追いかけてくる形である。エンジンの始動も静かでスムーズなものだ。全く分からないほどではないが、低速時であっても始動を強く意識させるような振動や騒音ではない。走行中ならタコメーターの針を見ていないと分からないくらいである。ガソリンハイブリッドの「S400h」も同様だが、Sクラスのハイブリッドシステムは時速100kmを超えるような高速域でもモーター走行が可能なことが特徴だ。負荷が少ないときという条件が付くものの、これは長距離を走るときの実用燃費に貢献する。3.5リットルのガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたS400hに対し、ディーゼルのハイブリッドはS300hとしてSクラスのベースグレードになり、1000万円を切る998万円の価格が設定されている。Sクラスは、旧型モデルの時代にもS350という本体価格が1000万円ちょうどのグレードが設定された時期があリ、これが一番のお勧めモデルだったりした。現行SクラスでもS300hはお勧めできるグレードである。■5つ星評価パッケージング:★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★松下宏|自動車評論家1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
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