気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年11月10日付
●就活面接6月解禁、2年連続変更経団連、前倒し表明(読売・1面)
●モーターショー閉幕(読売・8面)
●タカタ製リコール、車各社に「他社部品を」国交省回収遅れで異例要請(読売・9面)
●東芝、役員93人提訴せず、不正6年半歴代98人を調査、5人以外大半「証拠ない」(朝日・6面)
●排ガス除去装置パナソニック参入、ディーゼル車向け(朝日・6面)
●日本生命夏秋連覇、ホンダ痛い最終回、社会人野球日本選手権(毎日・18面)
●米「12月利上げ」観測強まる、2カ月半ぶりの円安株高水準(産経・11面)
●6人乗りに12人乗車、新宿ワゴン転倒、大学生ら軽傷(産経・27面)
●タイに車の試験コース、ホンダ、開発の現地化加速(日経・11面)
●ブリヂストン、14%減益,1~9月最終1951億円(日経・17面)
ひとくちコメント
10月30日の一般公開から10日間にわたって東京ビッグサイトで開かれていた「第44回東京モーターショー」が11月8日閉幕した。
翌日が新聞休刊日と重なったため今回のショーを「総括」する報道は、一部のネット媒体での速報を除くと、きょうの紙面に持ち越された。だが、取り上げたのは読売と産経の2紙だけ。それも拡大鏡で見なければ見落としてしまうほどの短い記事である。
読売と産経は経済面で報じているが、タイトルは「入場者数10%減」(産経)。会期中の総入場者数はのべ81万2500人。読売によると、「2011年に会場を幕張メッセから東京ビッグサイトに移した3回のうち、最も少なかった」と伝えている。
しかも、今回は2013年の前回に比べて「一般公開日を1日増やしたほか、中国・広州のモーターショーと開催をずらすため日程を3週間前倒ししたが、前回に比べ1割減に終わった」。さらに、「1日あたりの入場者数は約7万4000人で、総入場者数がピークだった1991年の約13万5000人に比べ、半分近くに減った」とも報じた。
わずか17行の短い記事に「減」の活字を3回も使っているが、今回の東京モーターショーの実態を的確に表現する分析内容とみられる。
もっとも、主催者の日本自動車工業会では「閉幕日の天候影響などで、天候に恵まれた前回に比べ減少した」と、入場者が減少した理由を「天気が悪かったため」と説明している。前回のモーターショーの際に、自工会会長を務めていたトヨタ自動車の豊田章男社長は、自工会の組織に対して「お役所以上に官僚的」と述べていたことを思い出す。
例えば、今回のプレスデーの初日には、午後6時の終了時間と同時にプレスセンターを閉鎖。居場所を失った記者が書きかけのパソコンを片手にロビーで右往左往している場面も見られた。
会期中、場外での「自動運転」などのニュースは際立ったものの、会場内でのモーターショー関連報道が少なかったことも、ショーの魅力などを世界に発信する役割を担うメディアに対する運営面での課題も多かったようにも見受けられる。