【三菱 eKスペース 試乗】アイドリングストップ領域拡大、乗り心地もより上質に…青山尚暉

試乗記 国産車

三菱 eKスペース
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軽自動車の超激戦区、両側スライドドアを備えるモアスペース系の1台が三菱『eKスペース』だ。

三菱と日産が協業し誕生したeKシリーズ第2弾であり、日産では『デイズ ルークス』として販売されている。

そのeKスペースが、発売から1年2カ月でマイナーチェンジを行った。ハイライトはまず燃費性能の向上で、NAモデルは以前から装備されていたアイドリングストップのコースト領域を9km/hから13km/hに拡大。つまり、停車前により早くアイドリングストップできるようになったのだ。結果、FF車のモード燃費は0.2km/リットル向上し26.2km/リットルに。これまでアイドリングストップを備えていなかったターボ車にもアイドリングストップを装備し、こちらはモード燃費を1.8km/リットル向上させた24・0km/リットルになっている。

メーカーの説明ではそのほか、ルーフとドアミラーを塗り分けた2トーンスタイルを追加し、標準車にもカスタム的なブラック内装を組み合わせるなどの改良を施したとしている。つまり、環境性能と内外装のリフレッシュのみの内容のようだ。

では、走りに関してまったく変わっていないのか? と言えば、そんなことはない。クルマはデビューした時から熟成され、スペックに表れず、目に見えない部分が着実に進化していくものなのだ。

ここで試乗したのは標準モデルのeKスペース。デビュー当時から“街乗りベスト”と言うべき控えめなパワー、トルク感はそのまま。低速ではごく軽く、50km/hあたりからしっかり感が強まる電動パワステの好設定、扱いやすさ、カーブでの安心感ある車体の挙動、自然なロール感覚、常に低い回転数を保とうとする副変速機付きCVTがもたらす全域の静粛性の高さといった美点もまたそのままだった。

が、クラス最上級と言えた乗り心地はさらに快適になった印象だ。重量級ボディーが功を奏したしっとり重厚なタッチはそのままに、荒れた路面や段差越えでの突き上げ感、音、振動の押さえ込みはワンランクアップ。下手なコンパクトカーやミニバンを凌ぐ上級感ある乗り心地を示してくれるようになっていた。だから街乗りに限定すれば気持ち良く、快適に走らせることができる。

ただし、せっかくのアイドリングストップもNAモデルに回転計が備わらないのはともかく、ストップしたことをはっきり示す表示がないのは要改良点。クルマによっては明確に作動を示すアイコンが点灯(点滅)したり、「アイドリングストップしました」という文字をディスプレーに表示させるなどの工夫が施されているのだ。とはいえエンジンが止まりやすくなったことは事実である。

室内空間の広さは圧巻だ。身長172cmのドライバーのドライビングポジション基準で、後席頭上スペースは290mm、ひざ回り空間に至っては最大330mmもあり、なおかつ着座がアップライトで前席に対してシートが高めにセットされているため、降車性に優れ、前方視界も爽快そのもの。

そんなeKスペースは犬を乗せるにも最適だ。スライドドア、テールゲート部分のどちらもフロアが低く段差なく乗り降りしやすく、5:5分割スライド式の後席のアレンジで犬の乗せ場所も自在。標準車ならシート地は撥水加工され(ブラック内装を除く)、万一の際も被害は最小限で済む。Gグレードなら後席に差す日差しをやわらげ、外からの干渉を防いでくれるロールサンシェードも装備されるから犬も快適かつ安心して乗っていられるはずだ。

さらに暑い時期に犬を後席~荷室部分に乗せても軽自動車唯一の装備となるリヤサーキュレーターによってエアコンの冷風が届きやすく、快適にドライブを楽しめるに違いない(犬は夏場、脱水症状、熱中症になりやすいので要注意)。

現状、ダウンサイザーにもピッタリな、動力性能にゆとりあるターボエンジンはカスタムしか選べないが、ライバルは標準車にもターボを設定している。パワー、トルクがやや物足りないNAエンジン(ベースはけっこう古い『i(アイ)』用だ)のみの標準車にターボが加わるのは時間の問題かもしれない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★★
快適度:★★★★
オススメ度:★★
ペットフレンドリー度:★★★★★


青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
《青山尚暉》

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