【ホンダ S660 プロトタイプ 試乗】エリーゼにもヒケをとらない堂々とした佇まい…島崎七生人

試乗記 国産車
ホンダ S660 プロトタイプ
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実車を目の前に印象的だったのは、圧倒的な存在感、質感だった。「本当に軽の枠!?」と目を疑いたくなる堂々とした佇まいは、ロータス『エリーゼ』を横に並べても決してヒケをとらないはずだ。

デザインもいい。ディテールで気に入ったのは細身のステーで固定されたドアミラーで、世界中の量産車の中でも別格のセンスのいい形。ホンダアクセス製の赤いソフトトップや70km/hで自動的にセリ上がるリヤスポイラーも小粋だ。タルガにした後部ピラー部分の、よくみれば凝った形状も見応えがある。軽ながら、申し訳ないが量産型の『CR-Z』とは比べものにならない大人びたセンスのスタイル。ほんの少しかつての『ビート』を思わせつつも、どの角度から見ても、別のクルマの模倣、影響を微塵も感じさせず、個性がある。

インテリアは比較的オーソドックスなデザインだが、軽の水準を超えた質感の高さが光る。メーターが(文字のフォントを含め)オーソドックスなのも好ましい。シートはしっかりしたサイズがあり、ホールド性も十分だ。

走りも質感が高い。絶対的な動力性能は軽の範疇だが、前後異サイズタイヤを装着した足回りはしっかりと路面を捉え安定感があり、かつ、ちゃんと曲がる。適度な操舵力のステアリングも洗練されたフィールでアラがない。ボディ剛性が高いこともあり、走らせていると軽であることを忘れるほど。CVTでもファンな走りは楽しめるが、MT車のほうがより身軽に爽快なスポーツドライビングが味わえる。大人が似合う本格スポーツカーだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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