【新聞ウォッチ】日産、ベンツとの”混血”スカイラインでプレミアム市場殴り込み

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日産・スカイライン 200GT-t
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年5月27日付

●ルネサス、子会社、米部品会社へ売却、アップルとはまとまらず(読売・8面)

●新スカイラインにベンツのエンジン (読売・8面)

●五輪「顧問会議」オールジャパン、顔ぶれ固まる(読売・34面)

●「スーパーカブ」立体商標に (朝日・7面)

●ソニー、中国でプレステ、家庭用解禁受け各社参入 (朝日・7面)

●ユニチカ、金融支援要請、債務超過回避、トップ刷新し再建 (毎日・7面)

●株式配当最高の6.9兆円、前期2社に1社増復配 (日経・1面)

●富士重、営業益上振れ、3年累計1000から2000億円、輸出増で円安効果 (日経・17面)

ひとくちコメント

湘南の海風が強く吹きつける中、日産自動車の追浜工場(横須賀市)内のテストコース(グランドライブ)では、ダウンサイズ型ターボチャージャーエンジンを搭載した上級スポーツセダン『スカイライン200GT-t』の報道陣向け発表披露会が行われた。新車の発表会は本社ショールームやホテルの宴会場などが一般的だが、工場内のテストコース内で開くのは異例だ。

異例といえば、今回搭載した排気量2リットルのターボチャージャーエンジンは、資本・業務提携先の独ダイムラーが「メルセデス・ベンツ」用に開発したもので、日産の看板車種で他社製のエンジンを採用することも珍しい。

きょうの各紙も「スカイライン、心臓はベンツ、聖域なき提携ゴーン流」 (日経)などと報じている。異例なのはそれだけではない。フロントグリルやエンジンルームに取り付けてあるバッチは「ニッサン」ではなく、高級ブランドの「インフィニティ」。ナンバー2の西川廣人副社長も「学生時代に最初に購入したのは中古のスカイライン」というように、”アラ還”以上のスカイライン派は「ニッサン」ブランドのほうが馴染み深い。

ただ、価格帯もターボ車で400万円前後、2月に発売したハイブリッド車は500万円以上の車種もあるほどだ。

西川副社長は「日本のプレミアム市場で日産はゼロに近い存在感しかない」と認めながらも「これからは確固たる地位を目指す」と意気込む。この先、欧州車の牙城をどこまで切り崩せるのか。新生スカイラインのキャッチコピーは「さあ、日本のプレミアムを騒がそうか」という。

国内市場は軽や小型車が持て囃されているが、「レクサス」で攻めるトヨタ自動車とともに、日産も日独”混血”のスカイラインとはいえ、欧州車が牙城のプレミアム市場に一石を投じようとする姿勢は評価できる。

《福田俊之》

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