気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年10月5日付
●米新車販売9.9%増、9月、トヨタ、ホンダは苦戦(読売・9面)
●ホンダ、輸出半減へ、円高対策国内生産は維持(朝日・1面)
●超円高に挑む:ホンダ社長伊東孝紳社長、日本はもはや輸出拠点ではない(朝日・8面)
●エコ技術「成長の柱に」シーテックEVも多機能化(朝日・11面)
●ひと:リッター30キロの軽自動車「イース」の開発責任者・上田亨さん(毎日・6面)
●「環境都市」に注目、シーテック開幕(産経・1面)
●HVカムリ目標10倍の受注、高級感高めセダン復調(産経・10面)
●英日産「リーフ」量産へ準備着々、リチウム電池試験生産(東京・7面)
●人こと:パナソニック大坪社長、世界景気の変調ぶりに懸念(日経・9面)
●トヨタ、残業延長柔軟に、労組と合意、生産量変化に即応(日経・11面)
ひとくちコメント
国内最大の電機・IT関連の展示会である「シーテック(CEATEC)ジャパン2011」が始まった。千葉市の幕張メッセの会場内に足を踏み入れると、展示ブースのあっちこっちには三菱自動車の『アイ・ ミーブ』(i-MiEV)や日産自動車の『リーフ』などの電気自動車(EV)が並び、まるで幕張での東京モーターショーが“復活”したかのような錯覚にとらわれるほどである。
きょうの各紙をみると、読売と産経が1面で、日産リーフに搭載するリチウムイオン電池を活用し、家庭内で使用するエネルギーを自給自足できる近未来型住宅を展示したブースをカラー写真で掲載。4日の夕刊にも朝日、東京、日経が同じようなアングルの写真を取り上げていた。
シーテックといえば、これまではテレビの進化とともにハイビジョン画質や3D映像のテレビの新機種が注目されてきたが、その主役の座をEVに奪われた格好だ。
もっとも、EVの心臓部のバッテリーやモーターの開発は東芝やパナソニックなどの電機メーカーが中心に手がけている。電機各社はデジタル家電が従来のような収益源として見込めない中でEVなどの省エネ・環境技術に活路を見出すのはごく自然の流れだろう。
自動車業界ではトヨタ自動車やホンダも「スマートシティ(環境配慮型都市)」などの実証研究に取り組んでいるが、今回のシーテックでの出展を見送っている。EVなどが会場をわかせている光景をみて、トヨタやホンダの担当者の悔しがる姿が目に浮かぶようだ。