トヨタブランドはタイでも健在。タイでは北部の農業地域などを中心にピックアップトラックに対する需要が根強く残り、国内販売面で独特な市場が形成されている。このピックアップトラック市場でも、トヨタをはじめとする日本自動車メーカーがしのぎを削っている。
タイでもディーラーではオーナー経営が行われており、取材した店舗はそのうちの一つ「トヨタ・マハナコン(TM)」グループのヘッドクオーターだった。
TMグループは、バンコク内に13拠点あり、取材店舗での月間販売台数は約80台。店舗の敷地面積は決して広くはないが、同じ建物内に立体駐車場があり、試乗用の車両を駐車場に保管してあった。
タイでは2010年12月から新型『プリウス』の販売が始まった。すでに『カムリハイブリッド』を販売しているということもあり「ハイブリッド車に対する認知が広がりつつある。ハイブリッド車に対する認知の土台ができたところでプリウスが投入される」と営業担当者は話した。
人気車種は、プリウス、『VIOS』、『ヤリス』(日本名:ヴィッツ)。
プリウスは2ラインを用意。ともに1.8リットルエンジンを搭載する。トップグレードの価格は126万バーツ(約345万円)、スタンダードが119万バーツ(約326万円)。
VIOSはすべてのラインで1.5リッターエンジンを搭載する。安全装置の有無や車体色によって価格が違う。ハイグレードは71万4000バーツ(約195万円)、最安ラインが51万4000バーツ(約140万円)となっている。
ヤリスも搭載エンジンはすべて1.5リットル。「TRD Sportive」やマニュアルトランスミッションタイプをラインアップする。ハイグレードは「Limited」。価格は71万4000バーツ(約195万円)。最安ラインは53万9000バーツ(約147万円)と価格面ではVIOSと同等のラインアップを備えている。
車体色については他のディーラー同様、販売時のわかりやすい注目点としてトヨタディーラーでも話題となった。
担当者は「プリウスのイメージカラーとしてホワイトは全面に押し出したい。パール入りのホワイトにすると価格が高い」という。タイではタクシーなどの車両にピンクや黄色、緑などハッキリとした派手な色を用いる。街の装飾でも日本に比べ派手な色使いが目につく。ただ車体色に関しては、ホワイトやブラックといったシンプルな色をベースに、高級感を持たせるためのパールの使用が流行しつつあるようだ。