気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年9月17日付
●民主党幹事長に岡田氏、枝野氏は幹事長代理、小沢系、入閣ゼロか(読売・1面)
●リーマン・ショック2年、主要国長引く停滞(読売・10面)
●トヨタ、11位に下落 企業、世界ブランド(読売・11面)
●前原外相、海江田経財相、幹事長に岡田氏起用(朝日・1面)
●1ドル85円台「車生産の海外流出止まらぬ」、志賀・自工会会長(朝日・13面)
●アイドリングストップの車増加、車が止まると、エンジンも自動休止(朝日・14面)
●ダイムラーにHV技術、トヨタ検討 基幹部品も(毎日・7面)
●自動車販売、欧州大幅な落ち込み、7、8月購入支援終了響く(毎日・7面)
●VW、ゴルフ2車種エコカー対象車に(産経・9面)
●新規制適応ディーゼル車、新たなエコカーとして選択肢に(産経・20面)
●東京モノレール延伸計画東京か新橋か(東京・1面)
●電気自動車、トヨタ、中国に投入、検討表明、現地開発も強化へ(東京・3面)
●GSユアサ、車載電池欧州で合弁、三菱商事・マグナと、最大規模の新工場(日経・1面)
●タイ自動車生産、1〜8月93%増、100万台突破、昨年通年上回る(日経・7面)
●ピックアップトラック、いすゞ、タイで能力増強、GM生産委託打ち切りで(日経・11面)
●ホンダ、中国で低価格二輪車、来年発売(日経・11面)
●電動バイクまず4店で、ビックカメラ(日経・13面)
●下期収益を探る:自動車、ホンダ、上方修正の余地、補助終了や円高、環境は厳しく(日経・15面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車が独自動車大手のダイムラーに対して、ハイブリッド車(HV)の関連技術や基幹部品を供与することを検討しているという。16日付の日経が1面トップ、読売も1面で報じたのに引き続き、きょうも朝日、毎日、産経などが経済面で取り上げている。トヨタのHV技術の他社への供与は、日産自動車、米フォード・モーター、マツダに次ぐ4社目となる。
記事によると、ダイムラー側から技術供与を受けたいとの要請があったという。トヨタも「環境技術を独占するつもりはない」(内山田竹志副社長)と全方位で提携する意向で、交渉には前向きのようだ。HV技術は、開発に加え、充電池やモーターなどの設備投資に多額の費用がかかっており、技術供与先が増えることはトヨタにとっても量産効果が生じるからだ。
ダイムラーがトヨタにHVの技術・部品供与を要請したのは、今後、世界的に需要増加が見込まれる小型エコカーのラインアップを強化するため。ダイムラーはすでに欧米や日本、中国で販売中の大型車『Sクラス』などには自社開発技術によるHVを設定しているが、トヨタが得意とする「小型車に搭載するHVシステムは持っておらず、自社開発するよりもトヨタから技術・部品の供与を受けた方が時間やコストが節約できると判断している」(毎日)とみられる。
HVなどの環境技術で世界をリードするトヨタ。昨年春、国内ではエコカー補助金の追い風の中、『プリウス』VS『インサイト』という対峙する構図で、トヨタとホンダによるHV戦争が火ぶたを切った。新車販売ランキングではプリウスは15か月連続で首位をキープしている半面、インサイトは目下、ベストテンにも入っていない。
今回、あのダイムラーがHV技術でトヨタに支援を要請したというのは今後の自動車業界にとっても意味深い。野村克也氏の名言に「負けに不思議の負けなし」という言葉があるが、自主路線を貫くホンダなども時と場合によってはプライドを捨てるような経営判断も必要ではないだろうか。