シートに座ると今までの日本車にはない雰囲気(フロントガラスまでの距離や天井が遠い)。イメージとしちゃ『MINI』に近い。マツダの開発陣に聞いてみたら「MINIのようなクルマを作りたかったんです」。
移動の道具としての機能は、同じ予算で買える『ウィッシュ』や『ストリーム』に届いていない。空気抵抗大きいボディ形状を持つうえ、車重が重いため動力性能や燃費面でイマイチ。
6人がきちんと安全に座って移動できる稀少な国産車。側壁を立て、圧迫感もない。ただ、各列中央席はスリムな体型限定。子供なら問題なし。中央前席のCRS対策もOK。
空間構築は国産車なみ。後席は広さ不足、上体後傾が強すぎ。前席座面を小バネで支える手法は廃したが、結果は硬く薄いシート。
当然ながら空間の印象、住み心地は『デミオ』と変わらず。内外装の演出から企画意図は伝わるけれど。動力系もデミオと同じ(実用域トルク不足)。となれば問題はフットワークだが…。
デミオをベースとしながらも、独自のサスペンションチューンにより柔かい足で乗り心地重視のセッティング。
果たしてこのパッケージングをどう解釈するかは、使う人次第だろう。当たり前だが座った感じは助手席が遠い。センターシートはたためるのでそれほど違和感は感じないが、やたらヨコ幅を感じる。
圧倒的なパワーで脳天をシビレさせる『C55 AMG』には正直困った。刺激的な加速フィールとパワーをきっちり受け止めるシャシーの出来ばえには、抗うことが難しい。
外観は悪くないと思う。デトロイトショーで見た『MXマイクロスポーツ』に比べるとおとなしいが、プレミアムコンパクトの新しいスタイルとして納得できる。
簡単にいって「小さな高級車」だが、いまひとつピンとこない。