来たる6月26日、オンラインセミナー「【池田直渡の着眼大局セミナー】第4回 ティアフォーにおける自動運転事業と開発の現場」が開催される。
セミナーに登壇するのは、株式会社ティアフォー Business Unit 執行役員の星名大輔氏。同社においてOEMとのビジネスを担当するキーパーソンである。
セミナーのモデレーターを務めるのは、自動車ジャーナリスト・自動車経済評論家の池田直渡氏。クルマのメカニズムと開発思想、企業戦略に対する鋭い洞察力を持ち、幅広いメディアで健筆をふるっている。
セミナー当日は、星名氏からのプレゼンテーションに加え、池田氏の視点を交えた議論の深堀りや、視聴者からのQ&Aセッションの時間も用意されている。
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セミナーは以下のテーマに沿って進められる予定だ。
1.ティアフォーについて
2.オープンソース戦略(Autoware)
3.現在の自動運転プロジェクトの事例
4.現状の技術的なアプローチ
5.対談・質疑応答
セミナーの開催に先立ち、見どころを星名氏に聞いた。
オープンソース「Autoware」をベースに事業展開
ティアフォーは、オープンソースを活用して自動運転ソフトウェアを開発するディープテック企業であり、様々な事業を展開している。星名氏は、同社のオープンソース戦略をこのように説明する。
「当社は世界初のオープンソース自動運転ソフトウェア『Autoware(オートウェア)』をベースに事業を展開しています。オープンソースとしてのAutowareの知財は、The Autoware Foundationという団体に移管しており、当社のみならず様々な企業がAutowareの開発に携わっています。ティアフォーは、Autowareをベースとして3つのプロダクトを開発していますが、その中でも、様々な機能やモジュールを組み合わせたソフトウェアプラットフォーム『Pilot.Auto(パイロットオート)』を構築し、用途に応じて5つのリファレンスデザインを用意しています」

例えばバス向けのリファレンスデザインでは、ユースケースや運行条件(ODD、運行設計領域)を定義したうえで必要なモジュールを組み合わせ、シミュレーターや実車で評価したものをパッケージ化。また工場内搬送用のリファレンスデザインは、特定のセンサー構成やモジュールを組み合わせてパッケージとして提供する。これらをライセンス供与したり追加開発費を得るビジネスモデルを構築している。
ティアフォーの特徴のひとつとして、顧客に向けて開発した成果物をブラックボックスとせず、顧客自身が開発を継続できるようコードを開示し、さらに開発環境も提供するという方針を挙げる。
「当社としては開発したソースコードは顧客と共有し、顧客自身が継続開発できる環境を提供しています。そのためソースコードだけでなく開発プラットフォームやノウハウも提供します。競合他社のようにブラックボックス化せず、幅広い適応性のあるプラットフォームを目指しています」
これら車両側のソフトウェアとしてのPilot.Autoのほか、クラウドを活用したシミュレーションやデバッグなどが可能な開発環境と、運行管理やデータ管理が可能な運用環境をサブスクリプションで提供する「Web.Auto(ウェブオート)」、ティアフォーのソフトウェアと連携可能な車載カメラやセンサー、ECUなどを販売する「Edge.Auto(エッジオート)」などのプロダクトを展開する。

無人搬送ソリューションを大型トラックに発展
ティアフォーの製品のうち、もっとも事業化が先行しているのが、工場内搬送の無人搬送ソリューションだ。すでに商用化されており日本各地で稼働しているという。